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SERENADES / ANATHEMA
93年発表の1stフルアルバム。
前ミニアルバム同様、スローゴシックの中に病的耽美意識が映える重苦しい神秘世界・・・と言いたいのだが、「実験的」と言えるツインギターリフと、良いとは言い難い音質が、神秘に辿り着く前に苦笑しなくもない。
それでも、切なさに浸れるメロディは随所にあるし、「THE SILENT ENIGMA」で生かされ始めるDanielのオーケストラアレンジメントの片鱗がインスト2曲に見受けられもするので、他のアルバムの後に、買って損はない。
1stアルバム。93年作。輸入版のみ?
93年作ということを考慮しても、これは全く以って素晴らしい一枚である。
最近のシンフォニックゴシックメタルにありがちな"大仰すぎる迫力"というものが全く無く、リスナーに優しい、耽美で癒しを生むゴシックとなっている。
心地良い程度のリフ・咆哮。これこそが純粋無垢なゴシックメタルである。
若干ドゥーム色が強く恐怖度もあり、甘すぎないところも、配慮されたバランスであると思える。
ただ、やはり地味さが目立つ。
勢いや派手さを求める現代の若者には、通して聞くのは苦痛かもしれない。
注意して聞かなければ、曲の良さが理解できないし、最後のトラックに収録されている、23分にも及ぶ環境音声も不可思議で、よくわからない。
まあ、そういう奥深さも含めたものが、ANATHEMAの魅力そのものではあるのだが。