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BLOOD MUST BE SHED / ZYKLON-B
ブラック界の豪華メンバーによる共演作。
再発盤は4曲入りですが、原盤は3曲入りだったらしいですね。
Trym以外のEMPERORのメンバーが二人とも参加しているという事で、シンフォニックな
ブラックを想像するかもしれませんが、意外にもロウでファストなブラックです。
キーボードはほんの飾り程度にしか入っていませんが、やはりそこはIhsahn。
最小限の音で最大限の効果を上げているように思います。例えて言うなら、真っ黒な
ブラックメタルサウンドをキーが照らし出した結果、妖しく蠢く人影が更に濃く見え、
より強い恐怖を感じるといった雰囲気です。3曲目なんかはほんのちょっとですが、
初期のEMPERORにも通じるものを感じたり。
ただ、正直言うとAldrahnの苦しそうながなりヴォーカルは少し苦手かも。
なんか詰まってる感じがするんですよね…。
それにしても、歌詞カードにこのバンドは政治や人種に関する思想に関係がない
みたいにありますが…このバンド名でそれを言いますか(笑)
基本は音が粗くノイジーなピュア・ブラックですが、端々で入るキーボードが冷血と無慈悲を引き立てます。バンド名とジャケットのせいもあるのですが、モノクロながらも生々しい戦時中映像フィルムを想起します。
それだけに、ボーカルがもっと冷徹な司令官風(例えば『Commando』のサティアーよろしく)だったらどうなるのだろうと考えたくもなります。Aldrahnのがなりたてるボーカルだと、イメージは『フルメタル・ジャケット』でヘリから銃乱射しながら「逃げる奴はベトコン、逃げない奴は訓練されたベトコンだ!!」と叫ぶ壊れた兵士なもので。もちろんそれはそれで怖いし良いと思います。
残念ながらこのEP1枚以降音沙汰なしなので、ブラックファンには幻のバンド及び作品です。