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人間失格 / 河村隆一
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これはかなりの名盤だと思います。個人的には彼の最高傑作ですね。
ピアノ進行のバラード、今まで通りのロックサウンド調のものから、土着的な民族メロディ
が際立つものと、バリエーション豊富な曲揃いです。ですがこのアルバムの最大の特徴は、
タイトルから容易に想像できる通り、ポップで明るいチューンというイメージの河村隆一
らしからぬ、全体としては暗めのムードを保った楽曲によって構成されている点です。
とは言え歌詞を見る限りはラブソングが多く、そこはやはりと言った感じ。
彼の曲は九分九厘がラブソング、なんてイメージがありますが意外と間違ってなかったりして。
一応コンセプトアルバムということらしく、一貫した流れがアルバム全体で感じ取れます。
簡単に言ってしまえば、暗く始まり、峠を越してから光が見え、最後は骨頂であるベタベタ
のラブソングで締められる、と言ったところでしょうか。
いかにもな感動を誘い込む構成ですが、実際ホントに感動してしまいます。
もちろん一曲一曲のクオリティは高いですよ。
#3,4あたりは他のソロアルバムではなかなか聴けない悲哀感のあるメロディが印象的で
素晴らしいですし、ラストを飾る#7なんか、結婚式で出てきそうな、
これでもかというくらいベタベタの分かり易い展開なんですが、この曲最高に好きです。
最後の最後でちゃんと河村隆一らしさが出てて良いですね。
沖縄(?)っぽい#5も個性的。とにかく捨て曲無しの素晴らしい完成度を誇ってます。
是非多くの方に聴いてもらいたい作品です。
死暗 2007年1月27日(土)17時40分

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