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ZYKLUS / LUNAR AURORA
2004年発表の6thアルバム。
4曲で46分の大作主義な作品で、曲のタイトルが「朝」「昼」「夕」「夜」と
なっていることから、なんらかのコンセプトのある作品なのかもしれません。
聴いてまず驚かされるのはその荒いプロダクション。
吹雪を思わせる…どころか、まるで土石流を浴びるかのような凄まじいノイジーさで、
ディストーションの音色は砂利を袋に詰めて一気にひっくり返したかのよう。ノイズの嵐が
リズムもメロディも飲み込んでしまうかのような音で、正直これを大音量でヘッドフォンや
イヤフォンで聴くのはキツいと思わせるほど。私的にはスピーカーで聴くと丁度良い感じ。
ただ、音質は極悪なだけでなく広がりをも感じさせるのが真に凄い所なのかもしれません。
メロディも暗い&寒々しいので、例えるならスローパートはXasthurを極端にした感じで、
ファストパートは2ndの頃のDISSECTIONを超辛口にしたら近そうな感じがします。
そこに華を添えるのが、時にうっすらと、時に前に出てくるキーボードの存在。
メロディがかなり神秘的で、前に出てくる頻度はそう多くないものの、アルバムの雰囲気作りに
おいて重要な役割を果たしてますね。ヴォーカルも基本的にがなり声ですが、時折見せる
呟くような声が印象的で、これも雰囲気作りに貢献しているように思います。
かなりプロダクションが極悪なので、少し勧めにくいアルバムですが、その極悪さと
キーボードの醸し出す神秘性の作り出すサウンドに興味がある方にはお勧めです。
1曲ごとの完成度の高い、高品質のシンフォニックブラックに、邪悪で不穏な雰囲気も併せ持つ作品。派手過ぎないメロディに、粗めのプロダクション。ブラックメタル好きな人ならたいがいの人はお気に召すでしょう。
4th→7th→1st、そしてこの6thとかなり変則的な聴き方をしてきてますが、
このアルバムは他の3枚と比べても明らかにノイジーさが強いです。
ULVERの3rdなんかほど超極悪というわけではないですが、なかなかのものですね。
この音質で4曲の大曲を聴いていくわけで、そのノイジーさがまたリスナーを
暗黒の淵へと深く深く誘っていくかのような役割を果たしていると思います。
このバンドは音作りにかなりこだわりを持っていると思うんですが、
このアルバムの音質もちゃんと計算し尽くされたもののように感じますね。
勿論良い意味で。クオリティ高いです。
メロディは暗くも美しく荘厳で、やはりどこか神秘的な感じがします。
でもこのアルバムでは暗さを最も重視しているようですが。
一筋の光も射し込まない、何か凶悪なものが渦巻いているような真っ黒な空間...
曲の展開がどうこうとかよりも、この圧倒的な音の波にひたすらトリップしちゃって下さい。
今のところ彼らの中では最も黒く邪悪な作品だと思いました。
その音質、大曲という構成からブラックをこれから聴き始めるような方には
とても勧めることができませんが、逆に言えば根っからのブラッカーには
このZyklusが一番受けが良いのかもしれませんね。
非常に完成度が高いシンフォ・ブラック。必聴です。