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FJELLTRONEN / WONGRAVEN
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95年発表の1stアルバム。
92年から95年の3年を掛けて制作された作品らしいですが、SATYRICONの1stが出た93年に
Satyrは18歳だったはずだから…作り始めたのは17歳の時!?マジで天才ですね、このお方は…

こういうアンビエント作品は結構ブラックメタル界のビッグネームが他にも演ってますが、
Ihsahn(EMPEROR)のTHOU SHALT SUFFERがクラシック的な耽美さ、FenrizのNEPTUNE TOWERSが
プログレ的な宇宙観を表現しているとしたら、Satyrのこれはフォーク、トラッドを軸に据えた
美しいメロディをたっぷりと取り入れたアンビエントと言えるのではないでしょうか。

確かに、Satyrはブラックメタラーだし、音も剣を抜くようなSEが入っていたり、ラストに
恐ろしげな呟きが入っていたり、人によっては恐怖を感じる作品なのかもしれません。
ですが、それ以上にどうしようもないくらい美しいメロディが心を捕える作品でもあります。
最初こそ控え目な立ち上がりですが、1曲目の3分半を過ぎた辺りから劇的なメロディが
姿を表し始め、そこからは蟲惑的ともいえる旋律に翻弄され、あれよあれよという間に
約32分のSatyrが描く世界への旅路が終わっているという感じです。ほんと、ここまで
メロディが良いと別にアンビエントとか興味ない人でも魅了できそうな気がします。

こういう作風にしては珍しく、Satyrがヴォーカルを取る箇所も多いですが、彼の声も
メロディに負けず本当に素晴らしい…。サイドプロジェクトのSTORMでも聴く事の出来る
朗唱スタイルですが、向こうよりも幾分丁寧に歌っていて、Ihsahn並に気品のある声です。
3曲目のサンプリングの内容(びよ〜ん、びよ〜ん)が思いっきりWHENの「THE BLACK DEATH」
と被るんですが、初期WHENはそのダークな雰囲気から北欧のブラックメタラーの間では
人気が高かったらしいし、Satyrの音楽のルーツにあるアーティストなのかもしれません。
そういえばSATYRICONの作品でもWHENの曲をサンプリングしてますし。

…こんな素晴らしい作品なら、もっと早く買っておくべきでした…。
音響派よりもメロディ派に強くお勧めしたい作品。っていうかメロディ派は絶対に必聴!!
Usher-to-the-ETHER 2007年3月17日(土)19時9分

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