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KIN / XENTRIX
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スラッシュ・メタル冬の時代へと突入し、ONSLUGHT、SLAMMER、SABBAT、ACID REIGNといった
英国スラッシュ勢が次々に失速していく様を横目で見ながら、'93年に発表された3rdアルバム。
スラッシーな疾走感が大きく後退し、重量級のリズムがズンズンと下っ腹に響くミドル・チューンが
本編の大半を占める内容は、発表当時、「地味」「速い曲がもっと欲しい」との評価を頂戴したが、なんのなんの。
スピードが落ちた分、(元々強い拘りを持っていた)メロディの魅力が浮かび上がり、まるで英国の曇天を
思わせるダークで憂いを帯びた楽曲の数々は、過去最高のクオリティを誇る(・・・と思う)。
繊細な泣きを炸裂させるGソロが、心筋が痙攣するぐらい素晴しい①、Voがクリーン・ボイスで歌い上げる叙情的な④、
起承転結の完璧な決まり具合が殆ど様式美HMなノリの⑥、ドラマチックなヘヴィ・バラード⑦、
トニー・マーティン在籍時のBLACK SABBATHを彷彿とさせる⑧、緩急自在に攻めてくる⑨といった楽曲を筆頭に、全編コレ捨て曲なし。
前作までのアルバムを「動」とするなら、「静」の魅力に満ち溢れている本作は、スラッシュ・メタル・バンドとしての
XENTRIXの魅力が満喫できる作品とは言い難いのだけれども(先ず最初に聴くべきは2ndアルバム)、
個人的には、本作が彼らの全アルバムの中でも最もお気に入りだったりする。
火薬バカ一代 2007年3月20日(火)23時11分

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