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ファンタジア〜2ND SIGN〜ルナティック・ラヴ / 六弦アリス
2007年発表の2nd。
前作では新人とは思えない完成度と、卓抜したメロディセンスで聴き手を驚かせた
六弦アリスが、待望の二枚目のアルバムをリリースしました!
音楽性は前作同様、プログレ(っていうかシンフォニックロック)から強く影響を受けた
サウンドですが、今回はトラッドの要素が減り、代わりにメタル要素がやや強くなった感じです。
民族的な要素を強く取り入れればメロディがクサくなるのはある程度必然だと思いますが、
今作のメロディの良さが民族要素がより濃かった前作にも全く劣らない素晴らしさという事を
考えると、六弦アリスは真にメロディに対して卓越したセンスを持っているということが
出来るのではないでしょうか。今まではSOUND HORIZON辺りが最もキャッチーなメロディを
書くアーティストだと思っていましたが、強烈なライバルが現れたと見ていいでしょう。
また、ヴォーカルもかなり上手くなっていると思います。
前作に収録されている曲の中で、今作の作風を示唆するものは「始まりの雨。」だと
思いますが、「始まりの雨。」と今作のタイトル曲を聴き比べてみると、かっこいい曲に
おいての表現力が段違いに上がっている事が良く分かります。歌いまわしの中に、
コンセプトの、少年の「間違った確信」から生まれる冷酷さや狂気が表現されているのでは
ないでしょうか。…しかし、SOUND HORIZONの「ARK」といい、片霧烈火の「南天の木」と
いい、この界隈ではネクロフィリア的なものが流行ってるんでしょうか?
ダークな物大好きなので大歓迎ですが。
上で引き合いに出したSOUND HORIZONは最早万単位で売り上げるアーティストになって
しまいましたが、これを聴く限り六弦アリスも将来そうなってもおかしくないだけの
才能があるように思います。最も、本人のブログのコメントを見る限り、売れることに
そう興味が無さそうなのでこれからどうなっていくのかは分かりませんが…。
少なくとも、この作品を以って「六弦アリスのCDを買えば、素晴らしい音楽を聴く事が
出来る」という「ブランド」を確立したと見て間違いはないかと思います。
ちなみに、今作も前作同様、価格は750円。
…こんな素晴らしいものをこんな安く買っていいんでしょうか…。
なんか申し訳無い気分(笑)。欲なさすぎです。純粋に音楽を作るのが好きなんでしょうね。
こういうアーティストがレーベルの介入を受けず、自主制作で作品をリリース出来る場が
ちゃんと存在する日本の音楽シーンって素晴らしいと思います。日本万歳。J-POP万歳。
2007年4月29日に発売された待望のセカンドアルバム。
彗星の如く突如シーンに現れたデビューして半年も経たない新人アーティストだ。
特に今作においては早くも音楽イベント会場で開場早々に列を成す盛況ぶりで、着実にその人気を不動のものにしているようだ。
今回の新作は同一シーンだとAsriel辺りと比べられそうだが、ぶっちゃけ彼らの音楽性は六弦アリスの足下にも及んでおらず、ご愁傷様状態だ。
しかしAsrielの方が知名度が高いので不思議なものだ。派手なものが好まれ、本当に良いものがその陰に埋もれてしまうのは何とも勿体ない事だ。
今回の新作は前作「ファンタジア」よりもかなりロック色が強くなっており、彼ら最大の持ち味でもある至高の美旋律がいよいよ本領発揮している。
このメロディセンスはもうある意味天才的、いや変態的である。
捨て曲が一曲たりとも無い神盤となっている。
ひょっとすると過去にメジャーシーンでゴーストライターをやってたんじゃないかと思うくらいに涙腺に来るメロディを書く。
そして前作もそうだったが、六弦アリスは音楽理論にかなり精通している。
楽曲構成やコード進行、そして楽器個々のサウンドメイキングに至るまで、かなり緻密だ。
そして何より、変拍子を多用している曲を4拍で採っていると、最後には丁度1拍目の頭に帰ってくるようになっている所などは音楽理論に精通していなければできない神の技だ。
ただ拍子を変えるだけなら誰にでもできるが、先の展開を考えた上で緻密な計算が成された音楽を作るアーティストは同人界隈じゃ初ではなかろうか。
音楽を深く理解した上で、メロディにも隙はなく、販売価格も異様に安い。
最強の3拍子が揃った。
そのうち六弦アリスは知る人ぞ知るアーティストになるだろう。
エスノセントリズムやらルサンチマンやら満ち溢れてますね。