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DE WARE HOND (STAVELOT - GHENT) / LUGUBRUM
2007年発表の7th。
…結構ベテランなんですね、このバンド。
まずジャケからして不思議なオーラが発生してます。
エルフなのかおっさんなのか良く分からない奇天烈なクリーチャーが黒いYシャツを着て
「えへへ」という感じの表情で頭を掻いている意味不明さ。この時点で変態系駄目な人は
避けるだろうと思われるので、ある意味親切なジャケといえるかもしれません。
音的には、サックスやオルガンをフィーチャーした前衛変態系ブラックという事が
出来ると思いますが…。前衛ブラックではVED BUENS ENDEやSOLEFALDが挙げられますが、
VBEはジャズにも通じるテクニカルな演奏力、SOLEFALDにはドラマティックで取っ付きやすい
曲作りなどある程度メタル好きには受け入れやすい要素があるのに対し、このバンドの曲が
醸し出すのはひたすら不条理で、かつユルい空気感。ヴォーカルも結構しゃがれた声ですが、
邪悪というよりはむしろ酔っ払っているみたい…。そんな空気感を保ったまま、なかなか
かっこいいリフを聴かせるブラックになったり、VBEを思わせる即興みたいなアンサンブルを
聞かせたり、ドゥームの様に引きずるリフで引っ張ったり、サックスやオルガンに主導権を
託してブラックから乖離し呪術的な雰囲気を醸し出したり、とにかくやりたい放題。
結成はブラック黎明期の92年らしいですが、こんなストライクゾーン狭そうなサウンドで
15年も続いて、しかもそれをキープしているバンドがいるという事が驚きです。
(これしか聴いてないので、初期はもっとまともだったのかもしれませんが…)
…とは言っても、15分の大作をしっかり聴かせきってしまう辺り、センスの高さは
あると思うので変態系ブラック好きなら試してみて損はないかと思います。
異端ブラックでは屈指のLugubrum2007年作。ブラックでは一番好きなバンド。
病気になりそうな不穏な空気ではコレに勝るブラックはナイ!と言ってもイイくらい。
コレ、金かかってナイチープな自主制作B級スプラッタ映画のような世界なんだよね、空気が。
超ヘタウマヴォーカルのガナリ声とか不条理なコードワークとか、異様な呪術的な雰囲気があって、それが決してゴージャスじゃないから隠れ新興宗教のようでイイね。
録音状態は確信犯なのか、ギターのプチプチとシャーシャーな感じが丁度よく中和したような、なんとも言えないステキな音なのです。
演奏力はピカイチで、変則な展開など高度なコトを結構平気にやってのける。
ホントやりたい放題な異質ブラックで、ブラック上級者というよりは、異質な世界を楽しみたい人向け。
Maudlin of the Wellあたりの音楽性に近い感じはあるが、アレよりはダーク。