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晴れやかなるソラの行方 / 片霧烈火
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2007年発表の通算5th…でいいんでしょうか。全造語で制作されたアルバム。

4th(キネマ)から2ヶ月しか経ってませんが…まあ2nd(空の軋み)の時から告知されてましたし、
その時からこつこつ積み上げてきたものが4thとほぼ同時に実ったのかもしれませんね。
それにしても装丁が凄い(笑)MAPLE LEAFのフルアルバムと漫画で2500円って言うのも
凄かったけど、この作品はケースといいブックレットといい最早ちょっとした民芸品みたい。
ブックレットは一件意味不明ですが、ちゃんと対訳やスタッフリスト、コメントが載ってます。
いろいろ試してみましょう(笑)

作風的には造語の雰囲気を強く反映し、トラッド要素をこれまでになく濃くした感じですね。
インダストリアルノイズやスペーシーなシンセを用いた箇所もありますが、基本的には民族色の
濃い雰囲気。同じトラッドベースでも、天地創造の壮大さや静謐な中に響く切なる祈り、
闇に木霊する魔女の囁き、楽しげに踊る人々など曲によって浮かんでくるイメージは様々。
これによって統一感がありながらも、意外にバラエティに富んだ作品になっていると思います。

ヴォーカルも今まではダークな作品においても「るまー・るまー」「あなぼっこ」みたいな
ジョーク的な要素を入れてきましたが、今回はいつもの暗めの凛とした通る声に加えて、
ブルガリアンボイス風やクワイア風などを多用し実にシリアス。

また、2ndである「空の軋み〜」とは世界観を共有する作品であるらしく、アルバムの構成や
曲名、曲調などに共通した要素が感じられますね。このアルバムのラストの歌メロと
「空の軋み」の最初の歌メロが一緒なのは、単純に考えればこのアルバムは時間軸上「空軋」の
前の作品と解釈できそうですが…烈火さんだし、なんかもっと深い含みがありそうだなぁ…。

ただ、全造語詞というある意味プログレッシブな試みは、アートワークとも相まってリスナーの
想像力を強く刺激するものではありますが、それは同時に日本語の曲と比べて曲のイメージが
固定化されにくいとも言う事で、多少突き放した作品に感じる人もいるかもしれません。
ですがメロディは豊穣ですし、向き合って聴くにはこれ以上の物もなかなか無いでしょう。

創造者としての片霧烈火の才能に触れたい人やメタラーな人はまずここから。
間違っても1st(みんのうた)の2曲目みたいな所から入ってはいけません(笑)。
片霧烈火を語るなら、「空の軋み〜」と合わせ、絶対に持っておくべきアルバム。お勧め。
Usher-to-the-ETHER 2007年7月1日(日)17時45分

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