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SOME ASUPECTS OF THE MOMENT / WOLF
wolfのインディーズから出た1stフルアルバムです
リズム隊が西川健と堀江睦男に代わり制作されました
ここでも主役はVoの松本だと思います 英詩の乗せ方が気にはなりますが
見事な歌いっぷりです 唄メロも魅力的で彼独特のセンスが伺えます
メロディアスな⑤は西川作でいままでに無かったタイプの曲だし
ノリのいい⑥ 泣きのパワーバラード④ 彼らならではの様式美ナンバー⑩がオススメ
レインボータイプの音楽が好きな人は聴いて損はしないと思います
所属レーベルCAPITAGON PULGGINGの消滅に伴い、流浪の身へと逆戻り。おまけにリズム隊にまで去られてしまったWOLFが、
新たに西川健(B)と、元STARLESSの堀江睦男(Ds)を迎え入れ体勢を立て直すと、'90年に4曲入りデモ・テープを制作、
更に同年、インディ・レーベルのCOLOSSEUM RECORDSからリリースした1stフル・アルバムが本作。
インディーズ制作ゆえ、サウンド・プロダクションはそれなりだが、楽曲の方は相変わらず粒揃い。様式美HMの王道を行く
内容だったデビューEPに比べると、美しいアルペジオを用いて、じっくりとメロディを聴かせるパートを設けた
ミドル・テンポのOPナンバー①や、楽曲自体はマイナー調の雰囲気ながらも、インスト・パートではメジャー・キーによる
Gソロが聴かれる②等に明らかなように、今回は意欲的に曲調を広げに掛かった仕上がり。
全体的にスリルとテンションはやや低下したが、メロディの充実がそれを補っているとの印象を受ける。
また、これまで以上にジャパメタ・チック(歌謡曲的)な歌い回しが頻出するので、舶来志向のメタル・リスナーからの
受けは悪そうだが、その程度のことで本作をスルーしてしまうのは、勿体無さ過ぎるというもの。
フックに富むリフ作りと、精度の高いソロ双方に冴えを見せる黒木政彦のG、前作以上に哀愁に満ちたメロディを歌う
松本龍以のVoの素晴しさは相変わらずだし、⑦⑩のような、スピーディな様式美HMチューンも健在。何より、個人的に
このアルバムで一番のお気に入りの哀愁のハード・ポップ④を、新加入の西川が作曲しているという辺りに、
バンドの新たな可能性が感じられたが、結局、その芽を開花させることなく、WOLFは'91年に過去音源をまとめた
『ROLL OVER』を発表した後、解散してしまうのであった。