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エンジェルハイロウ / 六弦アリス
2007年発表の3rd。
今回は1500円…やっと価格が適正になりました(笑)。
収録時間は今までとそう変わりませんが、それでもこの内容なら格安と言えると思います。
音楽性は前作、前々作同様トラッドやシンフォニックロックからたっぷりと滋養を
吸い上げながらもポップさも兼ね備えたものですが、今回は「生」や「命」を題材とした
深遠なコンセプトがあるせいか、混声合唱団まで使用したスケールの大きなサウンドに。
勿論今まで通り、日本のポップス界でも最上級と言っても過言ではない泣きメロや、
フレーズの一つ一つにセンスを感じさせる卓越したアレンジも健在。
今回はコンセプトや作曲の面でもヴォーカリストの櫻井アンナさんが貢献しており、
ユニットとして更に強固なアーティストになったのではないでしょうか。
その彼女のヴォーカルですが、今まで以上に自信に溢れた魅力があるように思います。
でもアクセントの箇所を少しシャウト気味にしたりとか、語尾の吐き捨て方とか、少し
JANNE DA ARCを意識してる?その歌い方がロック系の曲調に合っており、かっこいいです。
また「祈り」では声質を生かした綺麗な歌声も披露。でも、彼女の素晴らしい所は表現力が
あるのは勿論、六弦アリスの音楽性と声質や歌い方がマッチしている事かもしれません。
クーラーも効き辛いような、クソ暑い夏の合間に発売されたこの作品。
相変わらずの迸るような才気に寒気を覚え、ちょっとは涼しくなった人もいるのでは(笑)
今作も、前作同様メジャークラスの作品…と言いたい所ですが、逆に失礼かもしれません。
最早六弦アリスの曲はメジャー以上の質なのが当り前みたいになってますから(笑)
2007年8月17日に発表された六弦アリス通算3枚目のアルバム。
人が生まれるに至る行程を哲学的に紐解いたコンセプトを、混声合唱団を用いた宗教的な美麗音楽で表現した傑作。前作までと比較すると、作品を出す毎に作品の質が上がっている印象を受ける。
今作よりヴォーカリストの櫻井アンナが作曲に携わっているが、当初私が考えていた「どうせ大した曲は作らないだろう」という不安を見事に打破してくれた。
彼女が制作した楽曲はアルバム中2曲だが、どちらも見事なメロディーラインを作れている。天才的な才能を持っているのは作曲家の六弦A助だけでは無かったようだ。
特に5トラック目のキャッチーさはアルバム表題曲のエンジェルハイロウを脅かすほどに素晴らしい出来映えだった。
今作の特徴は、何と言っても全体的に若干プログレ寄りになっている点だろう。
非常に万人受けしそうなキャッチーさがあった前作と比較すると、ややアーティスト指向になっている。
このアーティストを初めて聴く方は2作目から聴かれる事をお勧めするが、本格的なサウンドや音楽理論を求めるならば3作目を強くお勧めする。
そしてバラードで泣きたい方にも3作目を強くお勧めする。
4th以降方向性が固まって現在では知る人ぞ知る国産最高レベルのシンフォゴシックユニットに成長した六弦アリスですが、3rdまでの作品ではアルバム毎に方向性を変えていました。
この3rdはコンセプトを櫻井アンナ嬢が担当している事もあってか彼等の作品の中では異端な雰囲気を持つ一枚。
作品全体を通して感じられる神聖で荘厳な雰囲気は最近の彼等にはあまり見られないものですし、何より彼等の中でも最高レベルの神曲「エンジェルハイロウ」が収録されているというだけでも価値のある一枚。
個人的には「エンジェルハイロウ」一曲の為だけにでも買う価値がある・・・と言いたいところですが現在ではかなり入手困難な上に価格の高騰も激しいのが難点ですね。
