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SEMPER FIDELIS / NARGAROTH
2007年発表の5thアルバム。
タイトルは英語にすると「Always Faithful」という意味だとか。
この場合「Faithful」というのはKanwulfのブラックへの信仰心なのかもしれません。
収録時間79分58秒、CDの収録時間限界までNARGAROTHが詰まってます(笑)
ドイツ語曲には英訳も付いており、過激だったり内省的だったりするイメージとは裏腹に親切です。
出音的には、名盤である「Rasluka PartⅡ」や「Geliebte des Regens」とそこまで
変わりませんね。インダストリアル・ノイズのようなジリジリとしたノイジーな音質や
エモーショナルで繊細なメロウさが練り込まれたリフを繰り返していく作風、Kanwulfの
マイクに噛み付かんばかりの声量のある歪み切ったヴォーカル…と、前述の作品で聴けた
NARGAROTHらしさは不変なので、ファンならば安心して購入できる出来だと思います。
ただ、今回は前述の作品のようにメロウなリフを繰り返していく作風の曲だけではなく、
メロウさや情感よりも攻撃性に主眼の置かれた、聴いているだけで憎しみが伝わってくる
ような曲やオールドスクールなリフを取り入れた曲なども取り入れて、ある程度バラエティに
富んだ作風なので全体的な印象としては「Black Metal Ist Krieg」に近いかもしれません。
「Black〜」の路線を「Rasluka〜」の音質でやった感じ、と言うと近いと思います。
ただ「Rasluka〜」「Geliebte〜」と比べると、全体的にメロウさは少し減退してるかも。
そういえば、今作のアートワークにはBURZUMのポスターがNARGAROTHのポスターの隣に
貼られているものもありますが、彼はBURZUMに凄く強い影響を受けているのかもしれませんね。
ノイジーなギターの音質なんか「Filosofem」のそれに近い気もしますし。
なのでNARGAROTHを未聴でも、「Filosofem」の頭4曲が好きな人ならハマれるかと思います。
このアルバムってもともと2001年に製作されたもので
発売時期を逃して今年まで延び延びになっていたものらしいです。
そんなわけで2001年の「Black Metal Ist Krieg」と作風が近いのかも知れません。
個人的に「Black Metal Ist Krieg」はそんなにお気に入りではないので、
このアルバムも然りですね…。
「Rasluka PartⅡ」や「Geliebte des Regens」で聴けるような胸を締め付けられる
悲しいトレモロをもっと聴かせて欲しいというのが本音です。
Black Metal Ist Kriegに似ていますね
少し厚めの音になっているでしょうか。
Black…のほうがチープな感じで、叙情的な箇所が少し多いかもしれません
これがNARGAROTHでなければ、かなり良いアルバムだとおもいます
NARGAROTHに求める物は、やはりこれとは少し違うような気がします。