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FOR A FISTFUL OF DOLLARS / SOUL DOCTOR
一般的にオーセンティックなハードロックが好きな人は
メロハーをなめている。
SOUL DOCTORは、FWのボーカリストがリーダーである。
ああ、メロハーあがりか、と。
90年以降、どれほどの芯のしっかりとしたハードロック
バンドが登場したであろうか。
ゼップやAC/DCを標榜するバンドは多い。しかし、懐古主義に
固執するリスナーに対して、聴くに堪えうるバンドは、
皆無といっていいほど少ない。
2000年以降も、その状態は続いている。
そういう中、昨年のTHE ANSWERの登場は、衝撃的だった。
多くのリスナーが待ちわびていたバンドだった。
しかし、SOUL DOCTORはジャーマンでありながら、2000年
初頭より同じようなスタイルを堅持していた。
悲しいかな、FWのメロハーつながりで、多くのハードロック
リスナーは敬遠していたように思う。また彼らの1STは
正直いって出来が悪かった。
あの程度のハードロックでは、なめられてもしかたなかった。
しかし、この3RDは違う。
ラストのゼップのカバーも含めて、全11曲、あまりに強烈である。
少し弱いなと思うのは、トップナンバーのみである。
2曲目以降、強力なハードロックナンバーが、これでもかと続く。
クリスラインのギターワークは、ロックンロール系ギタリスト
としては屈指のセンスである。
そこに極めて安定したボーカルがのる。
これほど贅沢なハードロックがあろうか。
楽曲の方向性は、ゼップのようにブルースに傾倒したものではなく、
どちらかというとポップなアメリカンハードロックだ。
Cinderellaがやっていたキャッチーなハードロックとか、
Britny Fox、新しいところでは、Buckcherryの路線である。
全編、メロディのしっかりとしたメジャー調のロックンロールナンバー
で覆い尽くされている。
しかし、これほど安定感のあるロックンロールはなかなかない。
安定感、そしてメロディのキャッチーさで言えば、昨年の
THE ANSWERを超えている。
もっと注目されていい、非常にハイレベルなハードロックバンド
である。
近日最新作がリリースされる。
FWがらみという固定観念を捨てて、純粋なハードロックバンド
として再評価されることを望む。