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SANITY OBSCURE / BELIEVER
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1st『EXTRACTION FROM MORTALITY』の好評を受け、ROAD RUNNNER RECORDSと契約を果たしたBELIEVERが、
'91年に発表した、ファンからも「バンドの最高傑作」と高い評価を得る2ndアルバム。
高らかに神と信仰について歌った歌詞(ご丁寧に歌詞カードには聖書の引用箇所まで表示されています)は相変わらずながら、
デビュー作という事で、初期衝動に忠実なストレートなスラッシュ・メタル色が濃厚に表れていた『EXTARACTION〜』に比べ、
今回は、そこから更にリフやリズム、アレンジ、メロディが綿密に作り込まれていて、混沌としたイントロを経て、
どこか不協和音を孕んだリフが猛然と疾走を開始したかと思えば、突然、ブレイクが入ってアコギが爪弾かれる・・・
といった具合に、静と動、激烈さと叙情性、そしてドラマ性と奇妙さが渾然一体となって押し寄せるアルバム・タイトル・トラックの
①に代表される通り、いよいよバンドがその個性を確立し、本領を発揮し始めたとの印象を強く受ける内容に仕上がっている。
①以降も、②④⑦といった前作以上のスピードで駆け抜ける高速スラッシュ・チューンを要所に配して
全体の疾走感を保ちつつ、アコギのイントロからスタートする、パワー・メタル的なカッコ良さを誇る③、
後にシングルとしてリリースされた(ビデオ・クリップも作られた筈)緩急の効いた劇的な⑤、
弦楽器とフィメールVoをフィーチュアして、クラシカル且つシンフォニックに盛り上がる、本編随一の異色曲⑥、
U2の楽曲を巧みにアレンジして、BELIEVER色に染め上げている秀逸なカヴァー⑧を収録する等、全編これ捨て曲なし。
従来のスラッシュ・メタル的要素と、新たな実験的要素が絶妙なバランスでブレンドされた、まさに「最高傑作」の評価に恥じぬ1枚。
火薬バカ一代 2008年1月3日(木)17時31分

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