CDタイトル↓をクリックするとチェックリストに入ります。
発言者の名前をクリックすると、その人の他のCDレビューが読めます。
(旧形式-更新停止)
IN THESE VEINS / HEARSE
ハースのCDを聴くのはこのアルバムが最初です。初期アークエネミーが好きな私はその頃のVoだったヨハン・リーヴァのバンドであるということにつられて買ったのですが、思えば試聴で一曲目のHouse of Love を聴いた時はかなり強烈に感じたのを覚えています。何せそれまではメロデスと言えばチルボドやEToSなど、デスというにはかなりキラキラしたメロディアス系のバンドばかり聴き慣れていたもので、ハースの普通のデスメタル寄りのブルータリティに富んだ分厚いサウンドには横殴りを入れられた様な気分でした。
でもきっとメロデスって言うのは本来こうあるべきなんでしょうね。最近のバンドは確かにメロディは美しくてカッコイイし、それはそれで私も大好きなのだけれど、あまりにメロディアスになりすぎていて、デスメタルが持つべき暴虐性や邪悪さがほとんど見られませんから。そんな中でコンスタントにデスメタル度を残した初期タイプのメロデスをやっているハースにはなんというか、頑固オヤジ的な意地を感じます。もちろんいい意味でですよ。「お前らこれが本当のメロデスなんだよ!!」って気概が感じられる、そういうサウンドなんです。どうやらヨハンは初期デスメタルシーンから活動している人物であるそうですからそうなるのも必然なのかもしれませんね。それにしても彼のパフォーマンスはすごい迫力です。個人的にこの手のシンガーとしてはダーケインの前Voアンドレアス・シドウと同じくらい好きです。
とにかく私はこのバンド、とてもいいと思います。甘めのメロデスを良しとしない向きや、初期型メロデスの迫力に触れてみたい人にはかなりお勧めですね。これぞ破れかぶれ(?)突撃型メロディックデスメタルです!
若輩メタラーが長々と失礼致しました。
バロニウム 2008年1月21日(月)12時17分
ダン・スウォノのプロデュースのおかげか今までに無い程の音圧とダークな雰囲気を醸し出しているアルバムだと思う。一曲目のHouse of loveからヨハンファンは涙モノの咆哮をかましている。今まで以上にこのバンドとヨハンが好きになった。次のアルバムが待ち遠しい。
2006年発表の4th。
私はARCH ENEMYからメタルに入り、HEARSEの1stも聴いていたんですが、そのまま
ブラックに流れてしまったので、実は彼らの音源を聴くのは1st以来だったりします。
1stの音楽性から大きな変化はなく、ロックンロール的な野蛮さ・獰猛さのあるリズムに
泣きのギターメロが絡む、甘くなりすぎないメロデス。「ロック」という言葉には本来
「揺する」という意味がありますが、このバンドのミディアムパートは聴いてると体を
自然と揺らしてしまうようなグルーヴがありますよね。ファストパートの、ハードコア由来の
炸裂感から来るかっこよさも言わずもがな。
1stから敢えて変わった事を挙げるならば、ギターのコズミックな、キラキラした
メロディが少なくなった代わりに、時折ブルデスにありそうな禍々しいうねりを持った
リフが出て来る事でしょうか。音質自体はよりヘヴィに、より洗練されているにも関わらず、
独特のリズムとも相まって、以前よりも泥臭くなっている印象がありますね。
この辺り、モダン方向、洗練方向に向かうARCH ENEMYとは好対照だと思う。
そしてJohanのヴォーカルですが…Johan、声、太っ!!声、ぶっっっっっと!!(笑)
丸呑みした大蛇を、一気に吐き戻すかのようなドスの利きまくった咆哮で、ARCH ENEMYに
籍を置いてた時代から考えても迫力が段違い。この人、腹式呼吸ってレベルではなく、
臓腑総てを動員して、発声しているのではないでしょうか…。声だけ聴くと、絶対イカツイ
奴が歌ってると思いますよね(笑)。あんな知的で細面な人のどこからこんな声が…。
もうこれブルデスのヴォーカルと比べてもレベル高いと思うんですが…。彼のパフォーマンスを
思い返してみれば、ARCH ENEMYが慟哭の感情を表す事、NONEXISTがプログレッシブな
展開に合わせる事、HEARSE1stがハードコア的野蛮さを表現する事に、それぞれチャンネルを
合わせていたと思うんですが、今作は「思うがままにぶっ殺せ」モードに入っちゃってます(笑)
久し振りにHEARSEの音源を買ったんですが、やっぱりJohan様の声最高だわ…。
失礼な言い方かもしれないけど、彼はARCH ENEMYを辞め(させられ)て、結果的には
良かったと思う。今のARCH ENEMYの音に彼の声は余り合うとは思わない。
HEARSEの、泥臭くて野蛮さや獰猛さの残るスタイルでこそ、彼の声は輝いてると思います。