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FEAR NO DECAY / CERBERUS
5曲入りEP『CERBERUS』で'05年にデビューを飾った、松田大二郎(Vo、B)、高田明(G)、丹下真也(Ds)ら、名うての
ミュージシャン達によって結成されたスラッシュ・メタル・バンドが、更なる結束を得て'07年に発表した、待望の1stフル・アルバム。
初期OUTRAGEを思わせる破壊力抜群のリフ、疾走感と重量感を兼ね備えたリズム、そして、正統派HM然とした構築美溢れる
インスト・パートをフィーチュアした、猛々しくもメロディックなパワー/スラッシュ・サウンドは、基本的にはデビューEPの
延長線上にある作風ながらも、スラッシュ色が強かった前作に比べると、今回は4人編成時代のTANKを彷彿とさせる、「戦う男の哀愁」が
漂ってくるかのような、よりメロディ重視の姿勢が打ち出されているのが特徴か。(丹下の趣味が大きく反映された結果なのかな?)
その最たる例が、スラッシーな攻撃性と、硬派な哀愁が絶妙な融合を見た②で、松田のVoも
どことなくアルジー・ワード風に響く、男泣きの名曲に仕上がっています。
その他にも要所に配された、劇的なインスト曲⑤、元DUNGEONのスチュ・マーシャルがゲスト参加して、JUDAS PRIESTばりの
ツイン・リードを炸裂させる正統派へヴィ・メタリックな⑥、メロウに始まり、激しく盛り上がるダイナミックな⑨といった楽曲が、
本編の流れに起伏を作り出し、且つ、①④⑩といった高速スラッシュ・チューンのカッコ良さを、一層引き立たせる役割を
果たすという隙のない構成。最近のOUTRAGEの作品に物足りなさを覚えているスラッシャーは、こちらを是非。