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LUCIFER INCESTUS / BELPHEGOR
このバンドもキャリア的には結構長いのですが、このアルバムしか持っていません。2003年発表の4thです。ジャケからしてもうアンチクライスト全開な背徳っぷり(かなり悪趣味ですな)が窺えますが、中身のほうも正にそんな感じです。轟音極悪ブルータル・ブラック。
ブルデス寄りのブラックの代表格としては現在のBEHEMOTHが挙げられると思いますが、こちらはもっとストレートにブラストビートとスラッシュビートを使い分けながらファストに爆走しているし、トレモロリフも非常に邪悪で荘厳、ヴォーカルであるHelmuthもブラックにぴったりな声の持ち主で、低めの咆哮やイーヴルな絶叫(元MARDUKのLegionを彷彿させる感じも)を憎しみたっぷりに聴かせてくれます。なので、このバンドのほうがブラック的な禍々しさは強いと思います。BEHEMOTH系というよりは、DARK FUNERALが図太く(ブルデス寄りに)なったと言ったほうがいいかもしれません。
ちなみにこのアルバムではMOR DAGORというバンドのTorturerという人物がドラムを叩いているようなのですが、これがまた凄まじいプレイで、非常にアタックの強いブラストやツーバスをかなりの速度でブチ込んできます。安定感も抜群だし、彼もまた怪物ドラマーですね。ただ、その音作りに整合感があるので人によっては気に入らないかもしれませんが。
あとこのバンド、ブックレットのメンバー写真を見るとみんな非常に厳つい顔をしてます。素顔なのに白塗りよりも恐ろしいという(笑)アルバム中、①Intro:Inflamate Christianosを始め他の曲でも所々女性の喘ぎ声が入りますが、これってマジでメンバーが調教でもやってんじゃないのか...(そう思う程ツラが極悪ってことでw)
全編通してかなり激しいですが、まず音質が良いし、ギターのメロディも邪悪・荘厳でありながらもメロディアスなものが多いので聴きやすいと思いますよ。中には本当にドラマティックに感じるほど叙情的なメロディも出てきますんで。ファスト・ブラックが好きな方は勿論、デスメタラーにもオススメできる好盤だと思います。個人的には今のBEHEMOTHやASMODEUSなどよりも気に入ってます。
「背徳」という言葉が最も似合うバンドのひとつ、オーストリアのBelphegorです。
ジャケットや歌詞カードからしてそういう匂いがプンプン漂います。
デスの暴虐さとブラックの邪悪さ、荘厳さをかなりいい具合にブレンドした音楽性です。
ヴォーカルはデス系の咆哮と、ブラック系の絶叫を使い分けています。
リフはかなり荘厳で、平伏したくなるような荘厳リフをバンバンだしてきます。邪悪なのはもちろんですが、どこか高貴な感じが漂います。
またデスメタルっぽいハーモニクスを用いるパートも結構あります。
音楽性は全く違いますが、そういう意味ではEMPEROR(3rdあたり)を彷彿とさせます。
ドラムはプレイ自体もさることながら重量感も十分あり迫力満点です。
ブラックメタルのドラマーはプレイ自体は凄くても音が軽めな方も結構多いですが、このアルバムは重さもバッチリです。
ブルータルブラックメタル好きにお勧めです。
ただ、全体的にカッチリしてるので、未加工な感じのブラックメタルバンドが好きな方には整合感がありすぎるかもしれません。