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MOND / LUNAR AURORA
2005年発表の7thアルバム(7曲入りですが①はSEなので実質的には6曲のみ)。
彼らの作品を聴くのは「ARS MORIENDI」に次いでこれが2枚目ですが、楽曲の良さに更に磨きが掛かった印象があります。まず、ファストパートとミドルパートの緩急をつけた非常にアグレッシヴな曲展開が彼らの特徴の一つだと思いますが、このアルバムではファストパートが多く、終始かなりのテンションで駆け抜けていきます。若干聴き取りづらい感じもありますが、荘厳であったり幽玄な雰囲気を醸し出したりするリフ、リズムチェンジの激しいドラム(このドラマーかなり上手いと思います)、そして曲全体を包み込む多種多様なKeyの音色が絡み合って、彼ら特有の邪悪でありながらも神秘的な雰囲気の漂う曲が並びます。
全体として見てみると非常に統一感のあるアルバムだと思うのですが、一曲ごとの展開は先が読めません。物凄く隙が無くて戦慄的で高速な展開。あと、コールド・ブラック等とはまた違う冷たさを感じます。まさにジャケットのような月面を思わせる怪しくも無機質な冷たさというか...
そしてこのバンドはやはり音作りもかなり凝っているように思います。もともとこのアルバムは格パートの分離が良く優れた音質だと思うのですが、聴き手を深い闇(今回は真っ暗な宇宙ってとこか)に誘っていくかのような空間的な音作りが素晴らしい。クオリティで勝負の超一級ドラマティック(と言ってしまおう)・ブラックです。
...グダグダと書きましたが、とにかく文句付けようありません。何から何まで素晴らし過ぎます。一曲ごとの時間は割りと長めのものが殆どですが、最初のほうでも書いたように、このアルバムはファストパートが主なので一気に聴き通せてしまうのではないかと思います。くどいようですが、本当に良いアルバムですよ。邪悪なシンフォ・ブラックとしては理想的なバンドかもしれません。
これはどうでもいいことですが、このアルバムジャケットの顔をじ〜っと見ていると、何かムカついてきます(笑)