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AMFETAMIN / SKITLIV
2008年発表のEP。
おそらくデビュー作なのに、スタジオ2曲、ライブ6曲という変わった構成の作品。
ex=MAYHEMのManiacの新しいプロジェクトという事ですが、意外にも音楽性は
ブラックではなく、ドローン/ノイズ/ドゥームでKHANATE辺りに近い感じでしょうか。
1曲目の終わり際の捻じ切るようなギターの音、KHANATEでも似たようなのを聴いた
覚えが…。KHANATEほど音響面に特化してなくて、曲も短い分聴きやすいといえるかも。
スタジオテイクの2曲は、1曲目はドラムレスで不安を煽るようなクリーントーンやAttilaの
「異世界的」ヴォーカルが入ってたり、2曲目はグズグズに歪んだギターとヘヴィリフで
押したりといった違いはありますが、基本的にはManiacの絶叫声とノイズを引き摺るような
ギターで聞かせるという路線には変わりがないですね。Maniacのヴォーカルはスタイル的には
MAYHEMの2ndの絶叫パートと3rdのうめき気味の声を混ぜた感じ。やっぱりこの人の声、
歪み方に独特の粘着性や獰猛さ、陰湿さみたいなものが感じられて大好きです。
ライブテイクは、スタジオの2曲も演奏してるしスタイルは基本的には一緒なんですが、
5曲目や7曲目のような、最近のEARTHにも通じるようなブルージーな絶望感を演出する
曲も演っていて、意外と一本調子のライブにはなってない感じ。Maniacのヴォーカルは
ライブでは何故か麻薬中毒者系のダウナーなディストーションヴォイスに。
…正直言ってスタジオテイクの絶叫の方が好みですが、こっちも悪くはないです。
…でも、私はこれ1stフルだと思って買ったので、ちょっと物足りない(笑)。
70分くらいノイジーな陵遅リフの中でManiacが憎しみを囁いてくれるようなものを
期待していて、EPというのは買ってから知ったので…とはいえ、後悔は全然してませんが。
しかし、インナーの髪を金に染めて逆立ててるのがManiacでしょうか…
声は今もかっこいいけど、正直見た目は昔の方が良かったかも…なんか太った気がするし…
Mayhem在籍時に比べると、エフェクトかかってはいるものの、呻いたりがなったりで随分人間らしくなったなと思うマニアックの声。
しかしその分、「人間離れした不気味さ」から「人間だからこその不気味さ」へ。何というか、病んだ心の奥底から絞り出された絶望の呻き声です。
耳障りなギターと神経症っぽいノイズも、病んだ雰囲気放出しまくってます。
スタジオテイクがこんなノリだからライヴなんてどうなってるんだろう……と、思ってましたが、思いのほかリラックスした雰囲気のようです。合間の客のゆるいざわつき加減とか、「Amfetamin」のイントロでギタリストが「Deathcrush」のリフを爪弾いてみせるとことか。
マニアックも伸び伸びやってるみたいです。でもスタジオテイクに比べると普通のがなり声になってるので、ビョーキ度が抑えられているのがちょっと惜しいところか。