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COCAINE / (V.E.G.A.)
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2002年発表の、多分...2nd。

まず最初の①なんですが、いきなり音が割れ気味の悲痛なエフェクトヴォーカルの絶叫で始まって、
続いて幾重にも聴こえてくる悲鳴と冷徹なマシンドラムビート、不穏なリフ、ガリガリ鳴り響くノイズSEが、
聴き手を圧殺するような勢いで畳み掛けてきます。その後はまた悲鳴→なんか歌ってる...
みたいな感じで終わるのですが、この曲を聴いたときは、これはかなりキてるアルバムなんじゃないかと
少し構えてしまったんですが、②からは案外普通に聴けました。ちなみに音質は各パートの分離も良く決して悪いものではないです。

マシンドラムは音圧もあり、Voもエフェクトかけて叫びまくってますが、リフが寒々しく不穏なものだけでなく、
荘厳というか、どんどん高みへと上昇していくようなリフがあって、これがまた凄く良いです。
何かこう、脳がどんどん侵食されていって壊れてしまい、昇りつめた果てに垣間見ることのできた快楽...
みたいな、麻薬的な危険性を伴った感じだと思いました。まあ、アルバム名が「Cocaine」ですしね。

全体的に疾走するパートが多いですが、落とすところはかなり不穏な空気になったりするし、それからまたすぐに
走りだしたりとリズムチェンジが結構あって展開はなかなか凝っているように思います。
遅いパートではVoは普通声で呟いたりもします。

また、最後のバンド名を冠した⑩なんですが、一度曲が終わって暫く無音が続いた後、打ち込みを多用した面白い曲が出てきます。
麻薬を乱用し過ぎていかれてしまった人の脳内の、壊れた快楽みたいなものを表現しているのかなと思いました。
多分これがオフシャルに書いてある、Cocaine(Ghost Track)かと思われます。
あと、①を逆に巻き戻すと約2分間ぐらい戻りますが、無音なだけで別になにもありません...この仕様に意味はあるんでしょうか...

打ち込み、ブチ切れエフェクトボーカル、麻薬リフ(←?)、微かに挿入されるシンセ、SEなど、かなり機械的であり、
非人間的なブラックメタル。こういうタイプの音からは結構「絶望」「鬱」「病んだ」といったものをイメージするのですが、
これはとにかく「壊れた」という感覚が強い気がします。
この手ではBLUT AUS NORDを始め実験的な音像を提示するバンドが近年は特に多く出てきていると思うんですが、
これもまたその一つと言っていいと思うし、ブラックの奥深さを体感できるアルバムだと思います。
決して取っ付き易いものではありませんが、こういう音に理解のある人は案外すんなりと聴けるのではないかと思うし、
実験的な音を求めるような人にも勧めたいです。

どうでもいいですが、このアルバム聴いていると凄く眠くなってきます(①は除いて)。麻薬効果でしょうか?(苦笑)
たまねぎ 2008年4月12日(土)23時2分

2002年発表の…おそらく1st…かな…?
ハーシュノイズやインダストリアルとブラックメタルの異種交配はよく行われていますが、
自分が今までに聴いた中では、これは最高級にレベルの高い逸品といえると思います。

↑でたまねぎさんが「麻薬リフ」と表現されてますが、正にそんな感じでまずリフが独特で、
かつ中毒性が非常に高い事が特徴ですね。そのリフが、ハーシュノイズと混交した音質の
助けを借りてサイケデリックに花開き、スパークしながら散っていく様はなにか神々しい
ものすら感じます。音の抜けの良い高速のマシンドラムのリズムも、ブルータリティよりも
サイケデリアや酩酊感を加速することに貢献している感じ。クスリによって精神が壊れ、
壊れたが故に神秘を体感できる人間の精神の中を旅したら、こんな感じなのかもしれませんね。

また、1曲目の掴み部分に悲鳴や合唱のSEを挿入して想像力を刺激したり、ヴォーカルに
正体を隠すようなエフェクトが掛けられていたり、ブックレットにはメンバーのはっきりした
写真を決して載せなかったり、アートワークも含めたミステリアスな雰囲気の演出も巧みで、
それが作品から受ける神秘的な感覚を更に底知れないものにしてるんですよね…。
プリブラ的酩酊感を、知性的(かつ狂的)なアレンジ・演出により麻薬性にまで高めた感じ、でしょうか。

↑のレビュー見て買ってしまいましたが、確かにこれは素晴らしいです。
まだ知名度はそれほどでもない(Metal Maniacs誌にインタビュー載ったけど…)みたいですが
スピリチュアルな次元に到達した、数少ないバンドのうちの一つなのではないかと思います。
Usher-to-the-ETHER 2009年2月6日(金)21時29分

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