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SYMMETRY BURZUM / ぴずや
2008年発表の2ndアルバム。
ゲーム音楽(上海アリス幻樂団)のインストメタル(一曲のみVo入り)でのカヴァーですが…
タイトルには伝説のブラックメタルバンドBURZUMの名前が!!!随分と自信満々ですね(笑)
率直に言うと、帯叩きのメロデス宣言に引かれて買った前作はソロ無しオブリ無し、リフも
シンセが入るパートの多くではメロウさが無くなる、シンセの音色がずっと一緒で単調、
音色自体も好みじゃない上に単旋律パート多すぎ、主・副旋律の絡みも音色が似通ってるので
今一つに聞こえる…と、私の苦手な要素を数え役満レベルで詰め込んだスタイルで、信頼してる
メタルレビューサイトで詳細なレビューが書かれるのを待ってから買えばよかったなぁ…と
後悔していたんですが、レビューサイトでの高評価とBURZUMのネームヴァリューに負け、
今作も購入してみたんですが…
前作で見限らなくて本当に良かった…と思いました。
前述した、前作で苦手だと思った部分が見事に解消されてるんですが…ちょっと信じられない
くらいクオリティ上がってます。まず長いピアノインスト明けの2曲目の冒頭のメロディアスな
ツインリードで「おっ」と思わせるし、その後のシンセメロが主旋律を担うパートでもシンセが
メロ、リフがグルーヴにキッチリ分かれてしまっているように感じた前作とは違い、リフが
ちゃんとメロディ面でも貢献するようになっていて、リフとシンセの距離が近付いたことで、
よりかっこいいアンサンブルが実現されてると思います。
しかもシンセの音色もトランス系一辺倒だった前作と違い、ムーグ風やハモンド風など多彩な
音色を取り入れ、聴き手を飽きさせない工夫が成されてるのは良いですね。
一方で音質のヘヴィさやパッと聴いての音像のかっこよさなど、前作で良かった部分は
しっかりと引き継いでいるのも嬉しい所。2曲目ではトランシーな疾走をバンドサウンドっぽい
音色の打ち込みでやっている(ように聞こえる)という二重に回りくどい事をしてたり、
7曲目では普通にエクストリームメタルの音にポップスのヴォーカルを入れたりなど、実験的な
部分も興味深く聴けました。前作は2、3曲聴いたら飽きちゃってたんですが、今作は32分が
あっという間で、聴き終わった後にもう一度最初から聴きたいと思える出来でした。
これで700円強とか安すぎだし…ゴチになりました(笑)
ただ、エクストリームメタルを目指しながら、打ち込みの利点を活かしてよりエクストリームに
するような発想のアレンジ(例えば、人間には無理な速度や持続時間のツーバスやブラストとか)
が無い辺り、どうもゲーム音楽ファンとの距離を考えて聴きやすくしてる感が
なきにしもあらず。個人的には遠慮しないでガンガンやっちゃって欲しいです。
それとアルバムタイトルにBURZUM、1曲目のピアノインストにOPETHの曲名を付けて
おきながら、ディプレッシブ/アンビエント・ブラックやプログレデスの要素が無いのは
どうなんでしょう(苦笑)。アルバムの完成度自体は文句無いんですが、これは流石に
羊頭狗肉というほかないのでは…。ぶっちゃけBURZUMって書いてなかったら買わなかったと
思うし(笑)。ゲーム音楽の鬱ブラックアレンジなんて聴いた事無いし、やって欲しかったです。