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THE SWITCH TO TURN OFF MANKIND / AUDIOPAIN
2007年発表の2nd。
メンバーが明らかにノルウェジアン・ブラック人脈だったり、あのカルトバンドMYSTICUMと
スプリットを出したりしてますが、音楽的にはアジり系のヴォーカルといい、刻み中心の
ギターリフといい、BPMや体感速度よりもダーティに聴こえる事を重視したテンポの
選択といい、ブラックメタルというよりもサタニックなスラッシュメタルという感触ですね。
ヴォーカルの声はCARPATHIAN FORESTのNattefrostがたまにやる高音で煽るような歌い方に似てるかも。
…今でこそブラックメタルのシーンも成熟してきて、例えばトレモロリフのメロウさや、
ギターノイズを利用した音質・音響操作、ブラストを多用した圧倒的ブルータリティ、
壮絶・壮麗なオーケストレーションなどサタニック・アンダーグラウンドな雰囲気を出すのに
様々な手法が開発されてますが、黎明期のブラックってバンドサウンドのダーティさをそのまま
イーヴルな雰囲気に転換するバンドが多かったように思うんですよね。そうした意味で、
この作品は2007年発表ながら黎明期ブラックに近い雰囲気があるかもしれません。
タイプ的にAURA NOIRにも近い感じがしますが、こっちの方が音が整っててストレートに
かっこよさ、禍々しさを伝えてると思います。逆にダーティさでは向こうに軍配が上がりそうですが。
殆どスラッシュメタルですが、刻みの中に織り込まれるメロディにはブラック的なサタニックな
雰囲気があるので、ブラックメタラーにもお勧め出来るアルバムだと思います。26分間、
かっこよく禍々しくダーティなスラッシュリフがダレることなく詰め込まれた好盤です。