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HEX : OR PRINTING IN THE INFERNAL METHOD / EARTH
2006年発表の多分5th。
サブタイトルは恐らくイギリス・ロマン派の詩人ウィリアム・ブレイクが詞を銅版に腐食を
使って書き付けた印刷法の事で、ブレイク曰くこの印刷法には目に見える表面を融かし去り、
隠された無限を露わにする効果があるとか。
…何気にブレイクって暗黒メタルの連中に人気があるような(笑)。
さて、今までは耳で聴くというよりも体で感じるようなドローン/ドゥームを演ってきた
EARTHですが、今回は随分と方向性の違う音ですね…。ブルージーで寂寥感のあるインスト
作品で、アメリカの西部開拓によって住む場所を追われた先住民のドキュメタリー映画の
サウンドトラックに使われそうな、イマジネーションを刺激する音になってしまいました。
残響音の響かせ方など、音響へのこだわり方にはやはりドローンっぽさがあるかもしれません。
…でも、それだけじゃなく、スタイルは変わってもやはり体調悪いときに聴いたら更に
悪くなりそうな、ダークな雰囲気も漂ってる感じもするんですよね。「病んでる」とも、
「禍々しい」とも違う独自の暗黒性を追求している感じ。
「Earth2」辺りが体で感じられる音だったのに対し、こちらは聴き手の脳裡に映像を
描き出すような音で、どちらも聴覚器官を刺激する以上のものがあるという点では
共通しているように思います。正直、こういう作風って音と意識のシンクロ度が低い状態で
聴くとちょっとつまらなく感じてしまう事もあるんですが、ツボに嵌まったときの効果は
どんなエクストリームメタルよりも高いかもしれません。