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BECOMING / ARI KOIVUNEN
Vo中心のサウンド・スタイルから、よりバンドらしさを前面に押し出した、タイトでヘヴィ・メタリックな
作風へと変化を遂げた、アリ・コイヴネン、'08年発表の2ndアルバム。
陰鬱な雰囲気の漂うジャケット・アートワークや、アリの「PANTERAから影響を受けた」との発言にドン引きした
メロディ愛好派のリスナーも多い事と察するが、個人的には、先だって行われた来日公演で披露された新曲が、
ちゃんとデビュー作の作風を継承したモノだったので、然程その内容に不安を抱いてはおらず、実際、ゴリゴリのBリフと
機械処理の施されたアリの歌声で幕を開ける、ヘヴィな①にこそ一瞬ギョッとなるものの(でも冷静に聴くと、
十分メロディアスな佳曲だ)、それ以降は、如何にも北欧らしい、ヒンヤリとした冷気と哀感を纏った、メロディアスな
楽曲が全編に渡って敷き詰められ、1stアルバムが気に入った人なら決して失望する事のない、充実した内容に仕上がっている。
まぁ確かにヘヴィさは増しているが、それはPANTERA化したというよりも、単に、100本以上のライブをこなした事で、
バンド・サウンドがより逞しくなっただけのこと。先行シングルとしてヒットを飛ばした③、壮麗なOPで掴みはOKな、
本編のハイライト・ナンバー的存在の⑤、悲壮感漂うバラード⑥、ヘヴィネスと哀メロが見事に融合を果たした⑧、
煌びやかに疾走するメロパワ・チューン⑨・・・と、前作のように、キラ星の如き豪華なソング・ライター陣が
参加しているわけでもないのに、このクオリティの高さを維持している事は、十分賞賛に値するのではないだろうか。
デビュー作の成功が決してフロックでなかった事を、見事に証明してみせた力作のように思う。
ARI君良いねぇ。
⑧なんて往年のPINK CREAM69の様。
単独公演を楽しみにしてます。
いかにも北欧!って感じ。本編もだけどボートラの"Fight Forever"、隠しトラックのMAIDENのアコースティックカバー"The Evil That Man Do"も珠玉の出来。