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DEPRAVED, REPRESSED, FEELINGS / ETHER (CANADA)
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2007年発表の1st。

日本の同名のユニット(ブラックとは何の関連も無い、シンフォ/ゴス系のアーティスト)が
好きで、なんとなく親近感を覚えて好奇心で買ってみたんですが、これはいいですね。
バンド名には英古語で天空という意味があったり、「Love」「Hope」というタイトルの曲が
あったりしますが、そうしたイメージとは全く無縁なディプレッシブ・ブラックを演ってます。

まず、音像からして結構独特な感じですね。
RAWに歪ませたギターの音色はカルト臭たっぷりですが、歪みが金属的なだけでなく、どこか
有機的な感触で、聴いてると日の差さない岩戸に閉じ込められたような感覚が。こういう音像で
疾走してても、どこまで走っても光が見えない感じで逆に閉塞感が強まっているような気がします。
ヴォーカルも井戸に落ちた男が血塗れで助けを呼んでるような悲痛系高音絶叫で、爽快感とは
無縁の、ほんと鬱ブラックの鑑のような音出してます。

また、陰鬱なメロディで責めるのみならず、トレモロリフに奇妙な音響処理を施して不気味な
音色を出したり、アコギに半泣きの語りを入れたり、ベースラインでメロウさやうねりを
表現したり、曲間にアンビエントパートを挿入したりetc…陰鬱な雰囲気を出すための手法が
バリエーションに富んでるのが特徴で、しかもその使い方がいちいち上手いため全体的に
かなり病的な雰囲気が醸し出されてますね。哲学的な思索に耽る余り世間と折り合いが
付けられなくなって、逆恨みして100円ショップの刃物コーナーを物色してる人の心象風景を
音にしたらこんな感じかも(笑)。いや、本当はもっとちゃんとしたコンセプトがあるんだと
思いますが…とにかく鬱であると同時に病んだ雰囲気の漂うアルバム。

同郷のGRISと同様、鬱なだけではない、哲学的な病的さが感じられる作品。
特に音質面などで少しカルト過ぎる感もあるんですが、SHININGやSILENCERでは飽き足りない、
STRIBORGやNORTTも余裕で受け入れられるというリスナーにはかなりお勧めのアルバムです。
Usher-to-the-ETHER 2008年9月7日(日)22時30分

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