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DECLARATION / BLEEDING THROUGH
Trustkillの最右翼、Bleeding Throughの2008年最新作。
前作「The Truth」はリフミュージックとしての個性を維持しつつも、
キャッチーなメロディを大胆に取り入れ、他の同業者に歩み寄った印象を受けました。
しかし問題の今作、前作なんて存在しなかったのごとく強烈で極悪な仕上がりになっているんです・・・。
頭のネジが2、3本ほどとれてしまったに違いないデレク(Dr)はブラストビートを初っ端から炸裂させ、
ブライアンと新加入のジョナによるツインギターもスラッシー/ゴリゴリでテクニカルに暴れまわります。
そんなですから、勿論ライアン(Ba)も今まで以上にヘヴィに動き回ります。
そして、マルタ嬢のキーボードは過去最高のフィーチュアぶりで、ダークで不穏な雰囲気をそこら中でかもし出しており、
ブランダン(Vo)も何か嫌なことがあったに違いないブチギレっぷりで悲痛なシャウトまで繰り出しています。
クリーンヴォイスも表現力が増した感がありますが、前に出すことは少なく楽器隊もその気は全くありません!(笑)
それ以前に登場頻度自体少なめで、アクセント的な色が濃かったり、ダークなメロディばかりです。
まとめると、過去最高に禍々しく、アグレッション、ブルータリティに溢れており、
それでいてブラックメタル的なドラマティックな側面も見せる作風といったところでしょうか。
ブラストビートで爆走するブラックメタル色濃厚な邪悪な②、これまでにないくらいドラマティック(でもゴリゴリ)な⑤
当たりは今作を代表する楽曲でしょうが、やはり特筆すべきはラストナンバーの⑫でしょう。
ヴァイオリン、チェロまで動員したイントロ、ゴリゴリハードコアパート、悲痛なシャウト、哀しげなメロディ、
これらが複雑でテクニカルに展開(それもごく自然に)する正に彼らの集大成といえる楽曲です。
元々、メタルコアシーンでは異色な個性を放っていたバンドでしたが、
他のバンドが本来のヘヴィメタルに回帰したり、さらにキャッチネスを突き詰めたりしている中で、
「俺は他の奴らとは違う!」と言わんばかりの強力なインパクトを持った凄まじく尖った作品です。
タイトルの「Declaration」(「宣言」の意)というのもつまりそういうことなんでしょう。
これぞBleeding Throughと胸を張って言える作品です。最高傑作と言って全く問題ないと思います。
キャッチネスや他のメタルコアと同じようなものを求めると大火傷するので注意。
「何か嫌なことがあったに違いない」と↑の方がおっしゃっています。これ程的確な表現が浮かぶことが羨ましいくらい的確です。ブラスト中心に破壊力抜群のDrに全くひけをとらずに咆哮してます、Vo。
ブレイクダウンは数としては少ないかもしれませんが、タイミング、リズムが絶妙で、ただブレイクダウン、ビートダウン垂れ流してるそこらへんの三流バンドとは格が違いすぎですね。見事。