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LEFT FOR DEAD / LAAZ ROCKIT
2008年の復活作
再結成はされていたが、ようやく新作が発売されたのだ。
ギターの音だが、リフは今までなく、ヘヴィ。
一方、ギター・ソロは非常に透明感のあるクリアなサウンドだ。
ARRON JELLUMと、PHIL KETNNERのギター・コンビが往年のような華麗かつテクニカルなソロを弾きまくっている印象が強い。
いや正確には、昔より弾きまくっていますなー。
速い曲もあるが、緩急を生かした、じっくりと聞かせる大人の?ヘヴィ・スラッシュ・サウンドが存分に楽しめる。
もともと昔から、欧州的な叙情性を持ち合わせていたが、本作では、より顕著に現れていると思う。
前作『NOTHING$ $ACRED』以来、実に16年ぶりに発表された待望の新作アルバム。(6th)
・・・と言っても国内盤が出るまでに半年近くかかっており、それって最早新作とは言わんよなぁ。
THRASH DOMINATION 05で見た彼らは、ルックス的には完全に「セミ・リタイアしたアメリカの普通のオッサン」状態だったのだが、
こうしてちゃんと復活アルバムを発表してくれて、しかもそれが全盛期の作品群を彷彿とさせる、素晴しいクオリティを
誇っているのだから驚く。そりゃゼトロやチャック・ビリーも「傑作!」との賛辞を寄せますわな。
一発で掴まれる強力なGリフ、マイケル・クーンズのパワフル且つアグレッシブなVo、そして鋼の如き強靭なリズムとが
一丸となって疾走する高速スラッシュ・チューン①で幕を開ける本編は、(GACK時代の悪夢を払拭する)まさに『NOTHING$〜』の
後に来るべきスラッシュ・メタル然とした内容に仕上がっており、若干、速さよりもヘヴィネス重視の姿勢も伺えるが、
元々、地を這うようなヘヴィ・チューンのカッコ良さにも定評のあったバンドゆえ、これは落胆には当たらない。
何より、嘗てベイエリア・スラッシュ・シーン随一の巧者と評判を取った、アーロン・ジェルムとフィル・ケトナーの
Gコンビが紡ぎ出す、欧州風味の湿り気を帯びたメロディが随所に配され、本編がヘヴィ一辺倒で味気なくなる事をしっかりと防止。
前述の①や、地響きを立てて押し進む④、叙情的に始まり、へヴィに盛り上がり、怒涛の如くクライマックスを駆け抜けていく劇的な⑨は、
スピード、パワー、メロディが見事に融合を果たした、新生LAAZ ROCKTならでは名曲に仕上がっているんじゃないかな、と。
まぁパワフル過ぎて、アルバム1枚聴き通すと(良くも悪くも)疲れる作風も相変わらずだけどね(笑)