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ALBINO DE CONGO / LUGUBRUM
2008年発表の8th。
相変わらず奇妙なメロディ、ねじくれたアンサンブル、奇天烈な展開、妙な味のある音質の
変態前衛ブラックを演ってます(笑)。インプロ的な演奏や超豪速のブラストも軽々こなす
演奏力の高さも相変わらず。アルバムのコンセプトのせいか、原始的なリズムとワイルドな
ベースメロがゴリラの闊歩する草原を、アコギやSEがサバンナの日常の情景を想起させる
ようなパートなど、アフリカを感じさせる部分が所々に挿入されているのも大きな特徴ですね。
そのせいで更に「普通」や「中庸」などから離れた感性のアルバムになってしまってます(笑)。
このバンドは曲を作る際にまず大枠を決めてから、インプロを交えて作曲していくそうですが、
今作は枠を決める段階をより重視したんじゃないでしょうか。前作よりも曲がコンパクトかつ、
メリハリのあるものになってると思います。音響面でもベースを前に出し、ドラムを引っ込めて
非現実感を演出したり、ドラムの音を弄ってパーカッシブな感覚を与えたりなどの小技も随所に
効いてますし。
ただ、その代わり前作のレイドバックした、ユルくて妙な空気感は少し減退してるかも
しれません。そうした要素もあって、変態的なのに妙にフックに満ちた作品になってますね。
少なくとも、難解すぎて聴いた後何も印象に残ってない…みたいなことには絶対にならないと思います。
SEが続く箇所に少しダレを覚えるのがネックですが、ブラックメタルには珍しい情景を
描いてるし、変態的な魅力を分かりやすく伝えてると思うし、初めて彼らの作品を
聴くのにも適してるアルバムだと思います。
ベルギー産ブラック2008年作。
不穏さを感じさせないアルバムジャケに不安を感じながらも、いざ聴いてみるとその不安は一蹴。
もはやこのジャンルではボクの中ではナンバーワンのバンドですわ。
演奏技術に裏づけられた複雑で技巧的な楽曲は相変わらず素晴らしいです。
なんといっても、このバンドの特徴は、不穏で醜悪な空気と知的さが同居しているところだ。
蛮族が崇める魔性のような感覚は以前から感じられたが、アートワークやタイトルからその感触が明確に理解できるところからも、聴き手にとってその感覚は更に強まった。
速度や重圧の激しさで聴かせるのではなく、SEや残響・呪術的なヴォイス、ざらついたギターの不協和、不思議なベースラインなどの独創的な個性が前面に出ているから好きだ。
強力な異端作品で人を選ぶ。激しいブラックが聴きたい人は敬遠して正解だが、ブラックに潜む神秘性や魔性に共感する人は必聴盤だと思う。
ブラックの多くは北欧的だが、このバンドは南半球の空気があるのが特徴。
この作品はその特色がより明確に現れており、そういう世界をブラックメタルの手法でアヴァンギャルドに料理した、稀少で、より想像力を掻き立てる奥深い作品だ。