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THE GRIMOIRE OF ALICE (PIZUYA'S CELL × MYONMYON) / MYONMYON
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同ジャンルのアーティスト「ぴずや」とのコラボ盤。2008年発表。
もちろん上海アリス幻樂団のインストメタルスタイルでのカヴァー作品です。

アレンジは両者が協力して行っているようですが、ミキシングやマスタリングはぴずやが
担当しているせいか、音の質感はぴずやの最新作「Symmetry Burzum」に近い感じですね。
一流のメタルバンドと比較して何の遜色もないへヴィネスといい、ブラストも飛び出す
スピードといい、この界隈では最もエクストリームメタルに近い作風と言えるでしょう。

ヘヴィさやスピード、原曲メロの美しさも然ることながら、それらに頼りきりにならず、リフで
高揚感を煽ったり妖しさを演出したりするアンサンブルの良さこそが、「なんちゃってメタル」
からは程遠い、しっかりとしたメタルとして魅力のある音楽になっている所以だと思います。
帯のジャンルにも「エモーショナル・メタルコア」とある通り、「Symmetry Burzum」と
比べてもリフに泣きメロを練り込むセンスが、心なしか上がってるような気もします。

ただ、主旋律にトランス系の音を初めとしたサイバーな音色のシンセを多用しているんですが、
4曲目の水の波紋を思わせる幽玄なメロや、5曲目の教会系荘厳メロまでいかにもシンセな音に
しているのは少し疑問かも。インスト明け2曲目から異次元っぽい風景を背にRPGの主人公が
怪物と戦ってるシーンが浮かぶような、ゲームのラスボス戦のような雰囲気があるし、
ゲーム音楽的なムードを出すために敢えてやってるのかもしれませんが。

まあ、シンセの音色が一本調子過ぎて飽きる程ではないし、ゲーム音楽好きなら買っておいて
損は無いのではないでしょうか。ただ、ここからは偏屈なメタラーの独り言として聞き流して
欲しいですが…メロデスやメタルコアって、エクストリームメタルと呼ばれるサブジャンルの
中でも正統派に近い価値観を持ってると思うんですよね…折角エクストリーム志向のメタラーが
がっぷり組んだんだから、もっとエクストリームメタルとしての矜持を見せて欲しかったです。

例えば、デスヴォイスやノイジーな音質、圧倒的なブルータリティなど濃いメタラー以外を
引かせてしまうような要素は取り入れずに、デスのリフの「うねり」やブラックのリフの
「荘厳さ」などは、聴き辛くならない程度にもっと取り入れてもいいんじゃないかと。
この界隈って正統派的な価値観を持ったバンドが多いし、エクストリームメタルの要素が
リズムとメロデス/メタルコア風のリフだけでは少し物足りないです。十分期待に応えては
いるんですが、この2者が組むからにはもう少し違うヴィジョンも見せて欲しかった。
Usher-to-the-ETHER 2008年11月20日(木)18時46分

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