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THE BLACK FLUX / VIRUS(NORWAY)
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2008年発表の2nd。

四階から転落し、数ヶ月にわたる昏睡状態が続いたというニュースで多くのブラック好きを
心配させたCzralですが…これを聴く限りでは完全に復活したみたいですね。
AURA NOIRでも新作を出したみたいだし、本当に良かったです…。

1stのスタイルを踏襲しつつ、ジャズ的アンサンブル志向を高めた音楽性は、VIRUSの
新作でありながらVED BUENS ENDEの続編的と言えるかもしれません。VBEの抽象的かつ
泥沼な雰囲気と、(VIRUSの)1stでの悪意に満ちたキッチュさを両立させた作風に
なっていると思います。淡いノイズを纏ったギターメロは立ち上る瘴気が、物理法則に反して
昇るごとに濃くなるような気持ち悪さがあるし、ベースも妖しく蠢くだけでなく、時に
場違いに明るめのメロを入れてきたりして素敵に気持ち悪いです(笑)。

このアルバムって、ヴォーカルは抑揚のないノーマル声が主体だし、ギターはトレモロリフは
おろか刻みリフもごく僅かだし、ドラムがブラストするなんてもってのほかで、殆ど典型的な
ブラックのパーツが使われてないんですよね。音質もプリミティブとは言えないですし。
それでもブラック的な薄気味悪いムードを醸し出しているのが、このアルバムの肝ではないでしょうか。
Czralのひねくれた感性が詰まった作品だと思います。

アンサンブル志向が強まったため、前作よりもフックは抑え目で取っ付きづらく感じる向きも
あるかもしれませんが、その分瘴気・妖気の類は濃くなっているかと。不吉なムード作りでは
BLUT AUS NORDの傑作「MoRT」に肉薄する物があると思います。
Usher-to-the-ETHER 2008年12月2日(火)17時20分

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