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UNDERCOVER ANIMAL / STEELER(GERMAN)
STEELERの日本デビュー作にして、ラスト作となってしまった'89年発表の4thアルバム。
黒を基調としたレザー&スタッドから、カラフルでヒラヒラな衣装へと、メンバーのアメリカナイズされたルックスの
変化が端的に物語る通り、音の方も、エコーを効かせてゴージャス感がいや増したサウンド・プロダクションといい、
以前より「歌」を意識した歌唱を聴かせるようになったダミ声Voといい、ミドル・テンポを中心にまとめらた収録楽曲といい、
王道ジャーマンHMから、より明快でメロディ重視のスタイルへと、その作風が変化を遂げている本作。
これまで、メイン・ソングライターを務めてきたアクセル・ルディ・ペル(G)の影が薄まった事が、今回の変化の
大きな要因と考えれるが、とは言え、バンドのメロディ・センスは相変わらず冴えており、従来の持ち味と新味が上手く
溶け合った②のような佳曲を収録するなど、作品自体のクオリティは決して低くはない。
ただ、やはり個人的に耳を惹かれるのは、アクセル作曲の②⑤⑨といった、ウェットなメロディがスピーディに疾走する
HM然としたナンバーの数々であり、アルバムのハイライトを飾るこれら魅力的な楽曲を聴いてしまうと、
彼が本作を最後にSTEELERを脱退し、ソロ・キャリアの道を歩み始めたのも無理はないかなぁ、と、思ってしまうわけで・・・。
但し、メジャー感は確実にUPしており、以前のようなB級HMテイストは薄れたので、一般的なHR/HMリスナーには
本作の方が取っ付き易く感じられるかも。何にせよ質は高い。
AXEL RUDI PELLからこのバンドを知りましたが(殆どの人がそうだと思うけど)、
同時期に活動していたVICTORYを荒々しくしたような、スピーディーでザクザクとした質感のギターを主軸にしたサウンドです。
SHADOW IN THE REDLIGHTやKNOCK ME OUTのような曲は、そのまんまアクセルの1stに引き継がれているので、
彼が貫き通したかったのはこういう硬派なサウンドだったんだろうなと思います(どちらもアクセルの曲だし)。
HELLOWEENあたりのメジャーどころに比べると確実にマイナー部類に入るバンドですが、B級の一言で片づけるのは勿体ない1枚。