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EAU ROUGE / 金谷幸久
サードステージが送るギタリスト・セレクション第三弾アルバムとして世に送り出された様式美系叙情派ギタリストの1stソロアルバム
金谷幸久は古くは京都のエクスキャリバーやエボニー・アイズで鳴らしたギタリストで
様式美マニアの間では知る人ぞ知る逸材で豊潤なメロディを紡ぐメロディセンスが素晴らしく、けしてインギーの二番煎じにならない叙情的なフレージングが魅力のギタリストです。まぁ個性的ではないがオーセンティツクなHM/HRサウンドを継承する彼のプレイスタイルには惹き付けられる物があり、参加メンバーもテラローザから岡垣正志、赤尾和重、堀江睦男にマルチプレイヤーの加瀬竜哉にWOLFの黒木政彦が参加しているとなれば無視するわけにはいきません。過去に発表された曲のリメイクや聴いたことのあるフレーズが頻繁に顔を出すのだが彼の集大成的なプレイが押し込められたドラマティックな楽曲の数々には惹き付けられる物があり、時には激しいインスト陣とのバトルも感じられ聴き所が多い。主役は金谷のギターだし安定感のあるアンサンブルが脇をサポートするのだが惜しむらくはVo赤尾の切れがイマイチなこと、エフェクト処理が気になるのと雇われシンガー的な感覚が気になる、それに衰えも感じるしね。アルバムの出来としては安定感のある平均的な感じがするが様式美マニアなら押さえておかないといけませんよ。
失恋船長 2008年12月10日(水)22時51分
元EBONY EYESの様式美HMギタリスト、金谷幸久が'95年に発表した1stソロ・アルバム。
当時はEBONY EYESの事も、彼がどんなミュージシャンなのかも知らずに、帯に書かれた「紫の神々が失ってしまった
熱き虹色の輝きを継承するメロディカル・ギタリスト」なる大仰なキャッチコピーと、元TERRA ROSAの赤尾和重(Vo)に
岡垣正志(Key)、元WOLFの黒木政彦(G)&堀江睦男(Ds)、そしてマルチ・ミュージシャンの加瀬竜哉(B)といった、
豪華なゲスト勢の顔触れに釣られて本作を購入したのだが、これが正解。テクのひけらかしに終わらない、
しっかりと構築された叙情フレーズを丁寧に奏でる金谷のGプレイを中心に、まさにこの面子が奏でるに相応しい、
コテコテのジャパニーズ・・・というか関西風様式美HMサウンドが、頭から尻までギュッと詰め込まれた1枚であった。
赤尾が歌い、岡垣がKeyを弾いているという事で、非常にTERRA ROSA度が高い内容ながら、↑上で失恋船長さんが
指摘されている通り、赤尾のVoがイマイチ精彩を欠くため(テンションが低いのは、雇われ仕事だからなのか、声が衰えたのか)
歌入りのナンバーよりも、劇的に疾走する③、しっとりとアコギが爪弾かれる序曲⑥から繋がっていく、
10分近くに及ぶドラマティカルな大作⑦、情感豊かに紡ぎ出される哀メロが胸を締め付けるラス曲⑩といった
インスト・ナンバーの方が、より魅力的に聴こえてしまうのが何とも勿体無い。
とは言え、彼女の歌の上手さは相変わらずだし、何より本作は、赤尾のパワフルなVo、金谷と黒木のスリリングな
ツインGの絡み、流麗なKey、そしてタイトなリズム隊とが激しく火花を散らして疾走する⑨の存在に尽きます。
個人的には、本作の魅力を凝縮したかの如きこの名曲が聴けただけで、アルバム購入代金の元は取れたというもの。