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THRASH METAL Ⅲ / RDX
元NEGAROBOの鈴木“AMPAN"政行が、北海道において立ち上げた道産子スラッシュ・メタル・バンドが、
夜叉の福島克彦(G)、HARD GEARの田中“Machine"康治(G)、SILVER BACKの伊熊誠(Vo)、GALATEAのKYOHKO(Vo)、
そしてSABER TIGERの三瓶朋大(B)、木下昭仁(G)御大らの協力を得て制作、'06年にリリースした1stフル・アルバム。
機関銃の如く徹底的に刻みまくるGリフが、鈴木のタイトでパワフルなドラミングに乗っかって畳み掛けるように
爆走するサウンドは、DEATHROW等の初期ジャーマン・スラッシャーを彷彿とさせるアグレッションと切れ味の鋭さを誇るが、
その一方で、男臭い濁声とノーマルな歌い上げを使い分ける伊熊のVo、そしてインスト・パートをドラマティックに盛り上げる、
福島、田中、木下のトリプルGの存在もあって、楽曲自体はバイオレントな作風に反して結構聴き易い。言うなれば、
初期ジャーマン・スラッシュ・メタルに、北海道のバンドならではの木目細かく構築美に溢れたメロディを融合させた感じ?
特に、四部構成から成るOPナンバー“THIRD EYE"(①〜④)は、鈴木のDsが生み出す凄まじいスピード感と、
個性豊かな3人のギタリスト達の共演、そしてKYOHKOのクリーンVoをフィーチュアして、激烈な疾走感の中にも
ハッキリとしたメロディの流れとドラマ性を感じさせる、このプロジェクトならではの名曲に仕上がっている。
頭から尻まで全編をひたすらに走りまくって、トータル・ランニング・タイムはタイトに30分ちょい。捨て曲の一切ない、
近年発表された国産スラッシュ・アルバムの中でも屈指の完成度を誇る1枚。このまま活動を続けてくれる事を切に望む次第。
スラッシュムーブメントともに姿を消した道産子スラッシャーであるパワーヒッティングドラマー鈴木アンパン政行がメインとなり活動をするプロジェクトの1stフルアルバム。このご時世にここまで清いスタイルのスラッシュサウンドに焦がれますね。
けして古臭い懐古主義に陥っていないのも高評価、個性豊かな北の勇者が集い素晴らしいパフォーマンスを披露、テクニカルなプレイを挿入したアレンジも見逃せません。男らしい伊熊のパワフルな歌声も冴えていますね。そんな個性的なメンバーにも負けない漢のドラミングを轟かせるアンパンのプレイは是非とも生で味わうべし、樋口のサポートでLOUDNESSのドラマーに選ばれたにも頷けますよ。