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HELVETIN YHDEKSAN PURIA / AZAGHAL
99年発表の1st。
最新作「Omega」ではかなり年季の入った、筋金入りの邪悪なブラックを聴かせ、
最早フィンランド産アングラブラックの中でも有数のバンドとなった感のある彼らですが
この時点ではDISSECTIONをチープにしたような、垢抜けなさの残るブラックメタルを演ってますね。
きちんと展開は練りながら、2〜3分の曲が多く、もうひと展開欲しい所で終わったり、音質が
クリアながらかなり薄かったり、確かに安っぽさはあるんですが、メロウなトレモロリフを
高音で掻き鳴らしたり、やけくそに疾走したりヴォーカルパートに魔王のようなグロウルを
重ねたり、DISSECTIONよりも形振り構わない雰囲気があって、それが独特の味に繋がって
いるように思います。特に、トレモロリフの高音を強調した音にはどこか繊細さもあり、
メロデイセンスの高さと相まって作品をより魅力的なものにしていると思います。
DISSECTIONをプリミティブよりにした音は、意外とブラック好きには敷居の高くない
音じゃないかと思います。洗練されていない感じはありますが、この頃からミニマリズムに
頼らない、ドラマ性と邪悪さを両立させる方向性が感じられます。