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BEYOND RECOGNITION / DEFIANCE
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HEATHENとの仕事等で知られるロブ・ビートンをプロデューサーに迎えて制作、
残念ながらDEFIANCE最後の作品となってしまった、'93年発表の3rdアルバム。
ベイエリア・スラッシュ・メタル然とした作風に仕上がっていた前2作に比べ、今回は素っ気ない音作りといい、
作品全体を覆う暗く澱んだ雰囲気といい、重心を低く落とし、疾走感よりもヘヴィネスやグルーヴ重視で押し出してくる
楽曲といい、グランジ・サウンドやPANTERA型ヘヴィ・ロックといった、当時、アメリカのロック・シーンを
席巻しつつあった新興勢力からの影響が、如実に反映された内容に仕上がっている。
①⑤等、スラッシーなスピード・チューンがなくなったわけじゃないし、Gも相変わらず流麗に弾きまくっているのだが、
そのメロディは従来の正統派HMに由来するドラマティックなモノではなく、ダークで浮遊感の漂うシアトル系のそれだし、
メロディアスな歌い上げよりも、ハードコアなシャウトを主体としたVoのパフォーマンスも、そうした印象に拍車をかけている。
メロウで物憂げなパートと、スラッシーなパートが上手く組み合わされた⑥のような優れた楽曲もちゃんと収録されており、
決して完成度が低いわけではないのだが、かといって強力なキメ曲があるわけでもなく、TESTAMENTのフォロワー色が
薄れた代わりに、スラッシュ・メタル・バンドとしての魅力も低下してしまった感のある、何とももどかしさの残る1枚なのであった。
火薬バカ一代 2009年2月11日(水)19時7分

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