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侵食ドルチェ / 分島花音
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2009年発表の1st。

「シングルで聴いた時よりも"ex-MALICE MIZER、MOI DIX MOISのManaさんが、
女性チェリストをプロデュースした、ゴシックなポップス"というイメージから期待される
世界観に、忠実に応えてくれる作品だなあ」というのがアルバムを聴いての第一印象。

Manaさんの耽美さとキャッチーさを兼ねたメロディと、チェロを軸にストリングスを
ふんだんに用いた上品な音像で、EMILIE AUTUMN風のシンフォ/インダストリアルな狂気を
前面に押し出した曲から、メランコリックなバラード、少女漫画っぽい可愛らしい世界観の
ポップな曲まで、色々な視点でゴスロリっぽい世界を描いてますね。

シングルは割と地味だと思ったんですが、アルバムを通して聴くとどの曲も個性があって
キャッチーなメロ、狂気、可愛らしさなど、アーティストのヴィジュアルや経緯から
期待する要素がいっぱいに詰め込まれているという感じ。結構アクは強いんですが、割と
1曲1曲は短めで、バラエティ豊かなカラフルな世界観を持ってるので聴きやすいと思う。

ヴォーカルは少し幼気な、半泣き気味の歌い方で、喉を締めて歌う感じがちょっと素人っぽい…
けど、これが少女漫画の主人公のお嬢様が歌ってるみたいな、アンニュイな繊細さがあって
音や彼女のキャラクターに良く合ってると思います。無垢な狂気からロマンティックなSF、
少女漫画的恋愛まで、幅広いテーマに挑みながら、キャラが破綻してない歌詞も良いですね。

…失礼かもしれないけど、EMILIE AUTUMNや黒色すみれ辺りがリアルなゴスライフを
送ってそうなイメージがあるのに対し、なんとなくこの人は私生活が普通っぽそう(笑)。
こういう取っ付きやすいゴスも良いと思います。
Usher-to-the-ETHER 2009年3月5日(木)17時10分

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