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THE SNOW TOWER / FATIMA HILL
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北海道が生んだ正統派様式美HM/HRバンドの待望の3rd
相変わらずメロディに拘った良質な楽曲を披露してくれています
特にタイトルトラック①に見られる凍てつく寒さすら感じさせる透明感溢れるメロディに引き寄せられますね、相変わらず音質は醜いしダイナミックさに欠けるが初期RAINBOWにも通ずる様式美ナンバーが好きな人には充分に訴えるものがあるでしょう、惜しむらくはスピード感を煽るようなアッパーな楽曲が収録されていないこと、正直通して聴くとチョイだれる感じがあるのがマイナスかな。でもANJUE氏の魔術的なギタープレイは相変わらず魅力的だし雰囲気重視だが低中音域を駆使し歌い上げるVo.YuKoさんの歌唱はバンドの顔となり独自のカラーを打ち出している。ラストのバラードAino-utaでは日本語詩です、しっとりと歌い上げる様に泣かされますね。
失恋船長 2009年9月12日(土)21時27分

2009年発表の3rd。

このバンドのアルバムは初めて聴いたんですけど、一聴した限りでは落ち着いた雰囲気で
進行していく神秘的なメタル…という印象でしたが、よく聴くと色々な要素が交じってますね。
基本的にはプログレ寄りのアンサンブルを取り入れた、ドゥーミーなゴシックという感じですが
時折入るしっかりとフレーズで主張するギターリフや、華麗さも感じられるキー&ギターソロ、
全体を包み込むようなアトモスフェリックなキーボードなどは、確かに正統派や様式美メタルが
根底にあることを感じさせてくれます。それらの要素を上手く纏め上げ、一つの情景に
昇華させる作曲・編曲能力は流石ベテランといったところですね。

その練り込まれた、絵画的な音の中でも「顔」としての存在感あるヴォーカルも素晴らしい。
低〜中音域メインで、下手な男性よりも力強さがありながら、変に体育会系ズレしていない、
呪術っぽさと清楚さを兼ね備えた声なのがツボです。その歌メロも、タイトル曲のキーボードと
融け合うようなメロ、2曲目の一度聴いただけで鮮烈な印象を残すサビ、ラスト曲のJ-POPも
真っ青な歌謡曲メロなどを初め、上質な物が揃っていると思います。全体的な雰囲気の演出の
上手さと、この歌メロでプログレ性や土着性など、マニアックな部分が上手くオブラートに
包まれていて、かなり聴きやすくなっている感じですね。

…このバンドも活動歴が長く、評価も高いらしいですが…確かに、昔のジャパメタっぽさが
そこかしこに感じられるような気がするんですよね…音から見える情景は北欧のゴシックに
通じるものがあるのに。特に変にモダン化していない、音作りの面で強くそれを感じます。
Usher-to-the-ETHER 2009年12月12日(土)20時53分

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