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WORMWOOD / MARDUK
2009年発表の11th。
タイトルは「苦ヨモギ」の意で、ヨハネの黙示録に登場する、水を苦くし人々を苦しめる星の事。
…前作に続き、また聖書関連の宗教色の強いタイトルですね。
Mortuus加入以降、Legion在籍時のスタイルをかなり引き継ぎつつ、名盤と言える質の高さが
あった「Plague Angel」、実験的な要素を取り入れ宗教的な邪悪さを表現しようとした、
過渡期的な作品と言えそうな「ROM 5:12」を経て、今作で遂に今までのMARDUKのスタイルと
Mortuusの個性が融合した、傑作を作り上げたのではないでしょうか。
まず耳を引くのは、Mortuusのヴォーカルスタイル。MARDUKではがなり、TRIUMPHATORでは
呪詛系低音、FUNERAL MISTでは苦しむような呻きをメイン…と使いわけていた感があるんですが、
今作はFUNERAL MISTで使用しているような、怨念と苦悩に満ちた呻きが今まで以上に
取り入れられている印象。特にラストの声、部屋で聴いてるのが漏れてたらマジで精神状態を
心配されそう(笑)。デス声への情感の込め方は、FUNERAL MISTの「Maranatha」に匹敵するかと思います。
また、曲の方も不気味なアルペジオが、NED勢に通じる宗教的邪悪さを演出する「Whorecrown」を初め、
前作よりも更に濃いムードを醸し出すことに成功していて、よりFUNERAL MISTに近付いた感じ。
でもMARDUKらしいブルータリティやリフの分かりやすさと切れ味、メジャー性も失われて
いない辺りが素晴らしいです。遂に歯車が完璧に噛み合い始めた感じ。
前作は正直不満の残る作品だったんですが、今作はどっちかというとFUNERAL MISTの方が
好みだった私でも大満足の作品。MARDUKの今までの音楽性やMortuusのヴォーカルに
惚れている人だけでなく、全エクストリームメタラー必聴の作品だと思います。
俺も前作では少し物足りない感じがしましたが、今作は文句無くカッコよかったです。このバンドのファンなら迷わず買いでしょう。作品については上の方がほぼ記してくださっているので俺は敢えて書きませんが、買ってまず損はないはずです。かなりの力作だと思います。
暗黒貴公子 2009年10月29日(木)21時3分
現時点での最新作11thアルバム。
Mortuusの邪悪極まりないヴォーカルと、MARDUKの黒死病サウンドが絶妙にブレンドされた名作。
音質はこの手のバンドにしてはかなり良好です。
Emilが抜けたため最高速度はやや落ちたものの、Larsもかなり凄まじいドラミングを披露しています。
リフは中期MARDUKのメロディアスな感じが聴けるのが個人的にかなり嬉しかったです。
邪悪ながらも口ずさめるキャッチーなリフを作り出すMorganは偉大なギタリストです。
Mortuusのヴォーカルはもういうことなしですね。声量、声質、感情のこめ方、カリスマ性などどれをとっても完璧といわざるを得ません。
MARDUKは現役のBLACK METAL BANDでは最高のバンドのひとつでしょう。
是非このまま突っ走って欲しいです。