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履歴書 / エスシリヰズ
2009年発表の5曲入り1stミニ。
「五人一首の関連メンバーと、ジャズ畑のヴォーカルが組んだメタル/ポップバンド」という
触れ込みですが、確かに五人一首の複雑でテクニカルなアンサンブルを、怪奇性ではなく、
アンサンブル自体を楽しむようなポップ性に向けたような作風ですね。
単に技術が優れているというだけでなく、曲の展開によって好き放題に絡み合ったり、
歌を立てたり、歌と一緒に盛り上げたりと押し引きを心得ている所が、真にテクニカル
なんでしょう。スタジオで音の絡み合いを楽しんでる様子が伝わってくるような雰囲気で、
ここまで聴き応えのあるアンサンブルを聴かせながら、歌ものとしても成立させているあたり、
本当に一流という感じがします。ヴォーカルの歌唱も、Middleisland辺りを思わせる情念系の
歌唱で、バンドの演出するレトロな空気感と凄くマッチしてます。
ただし、アンサンブルがヘヴィなリフや速弾きなどのメタルの様式ではなく、各楽器の調和
(もしくはバトル)を重視している辺り、価値観はジャズに近いかもしれません。
とはいえ、濃厚な楽器の絡みが聴けるので、やっぱりメタラー向きとも思いますが。
ジャズやプログレ、歌謡曲が嫌いでなければ是非。