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FANTASIA OF LABYRINTH〜迷宮の幻想曲〜 / MARIO CHILD (MARIO CROSS CHILD)
2010年発表の1stミニアルバム。
キャッチコピーには、「神秘的で幻想的で中性的な妖精音楽プロジェクト」とありますが…
そんなに「〜的」を連呼されると、逆に音楽性を想像しづらいんですが(笑)。
端的に言ってしまえば、MALICE MIZERやVERSAILLES辺りの耽美かつ煌びやかな路線のV系と、
DRAGON GUARDIANやあめのむらくも辺りの、最近現れ始めた国産RPGメタルを主なルーツに
持つであろう、シンフォニックな、歌謡的なメタル。
…この作品の最大の特徴は、何と言ってもそのキーボード。
「キーボードの入っていないパートなんて殆ど無いのでは」と言うくらい、全編に渡って
キーが配された、極めて煌びやかな音像。…徹底したシンフォ路線を貫くブラックとか、
キーが主軸になっている音楽性のバンドならともかく、歌モノの路線でここまで演って
くれるのは珍しいのでは。ただ、キーの音色自体はファミコン並とは言えないまでも、
スーファミでなら再現できそうなチープさ。でもその音が、却って世界観をRPG的に
聴こえさせているのが面白いです。
ヴォーカルは、キ真面目なメタラーの神経を逆撫でしそうな(笑)、MOI DIX MOISや
VERSAILLESタイプのいかにもV系な低音の上、かなりくどめな声で語りも入れてくるという、
好みの分かれるタイプですが、心地良いビブラートを聴かせてくれるし、歌唱力自体は
問題なしかと。個人的にはこういうヴォーカルは大好物です(笑)。
しかし、DRAGON GUARDIAN以来、ジャパメタシーンに着々と「国産RPGメタル」という
ジャンルが根を張りつつありますね(笑)。メタラーもV系ファンもRPG好きも
アニソンファンも巻き込んで、大きなムーブメントになって、ごく一部のキ真面目な
メタラーが眉を顰めるような展開になってくれれば、個人的には面白いんですけど(笑)。