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CREST OF BLACK / SACRIFICE(日本)
ジャパニーズスラッシュシーンの礎を支えたバンドの記念すべき1st
重々しくも荒々しいNWOBHMに根ざした楽曲はどれも重量感に満ち溢れ聴き手を魅了します。アルバムを通して聴いたあとの心地よい疲労感、一筋縄ではいかないSE等で工夫されたアレンジ、ともに日本が海外に胸を張れるクオリティを誇っていると思います。
聴き手の嗜好もあるでしょうがドスの聴いた歌声を披露する杉内哲のVoスタイルが評価の分かれ目でしょう。CD再発される際は是非とも聞いてもらいたいですね、万人受けすることのない正調スラッシュ/パワーメタルのカッコよさを体感して欲しいです
一度でいいから聴いてみたいと願っていたSACRIFICEの幻の1st『CREST OF BLACK』('87年)がまさかの再発。
失恋船長さんに教えて頂いて発売スケジュールを確認した時は、思わず我が目を疑ってしまいましたよ。
「和製VENOM」の異名を取った彼らだけに、デビュー作たる本作では、てっきり後の作品以上に初期衝動に
忠実なスラッシュ・メタルを演っているものとばかり思っていたのだが、あにはからんや。ここで聴く事が
出来るのは、埃っぽく破天荒、それでいて日本のバンドらしい整合性も兼ね備えたハードコアなヘヴィ・メタル。
子守唄に導かれて幕開ける本編の半数を占めるのは、イーヴルな雰囲気漂わすミドル・チューンの数々で、
疾走曲にしても、その走り方は雪崩を打って畳み掛けるスラッシュ・メタルのそれではなく、飽くまで正統派HMに
由来する走りっぷり。杉内哲のVoもクロノス/デモリションマンばりの吐き捨てスタイルながら、
外へ向かってハジけるアグレッションより、内向きに重く引き摺るようなダウナー感の方が強く印象に残る。
本作を聴いて漸く「SACRIFICEはスラッシュ・メタル・バンドではなくヘヴィ/ロックンロール・バンド」
という発言の真意が理解できた次第。とは言え、本作を最も楽しむ事が出来るのがスラッシャーなのもまた、
疑いようのない事実なのだが。(②⑨辺りはSACRIFICEの全楽曲の中でもトップレベルの名曲かと)
この機会に、2nd『TOTAL STEEL』や3rd『TEARS』もリマスター再発希望。