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THEOGONIA / ROTTING CHRIST
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ギリシャのベテランブラック、Rotting Christの9作目のアルバム。
唯一、国内版が出ている作品で、国内版ライナーノーツに11作目と書いてありますが、これは間違いです。
なお、海外のウェブマガジン"Metal Storm"のBlack Metal album of the year 2007のトップに輝いた作品です。

さて、内容を書いていきたいと思いますが、何故かこのアルバム曲順がかなりごっちゃになっていますので最初に訂正したいと思います。

CDや公式サイトに書かれているトラックリスト
01. Χαος Γενετο (The Sign of Prime Creation)
02. Keravnos Kivernitos
03. Nemecic
04. Enuma Elish
05. Phobos' Synagogue
06. Gaia Tellus
07. Rege Diabolicus
08. He, the Aethyr
09. Helios Hyperion
10. Threnody

正しいトラックリスト
01. Χαος Γενετο (The Sign of Prime Creation)
02. Keravnos Kivernitos
03. Enuma Elish
04. Gaia Tellus
05. Helios Hyperion
06. Nemecic
07. He, the Aethyr
08. Phobos' Synagogue
09. Rege Diabolicus
10. Threnody

これは、私が一々聴き比べして確かめたトラックリストです。
要するに3〜9は全て曲順が間違っており、何故このようなことになっているのか分かりませんが、
歌詞と曲を照らし合わせていただければ間違っていることが明らかなのはご理解いただけると思います。

さて本作の中身ですが、トレモロリフが多用されブラックメタル的な雰囲気が強く感じられるものの、
基本的にはシンプルなヘヴィメタルサウンドで、ブラック版Amon Amarthといったところでしょうか。
しかし、本作をもっとも特徴付けているものはそのメロディとアレンジです。
ギリシャの伝統的な音楽の要素がふんだんに盛り込まれており、トラッドなメロディやエスニック・コーラスが随所で聴かれます。
ゆえにこのバンドを紹介する際には「ギリシアン・エスニック・ブラックメタル」と言えば分かりやすいかもしれません。

各曲では、①②⑨あたりがブラックメタル色の濃い曲で、その他エスニックなメロディ・アレンジが前面に出た③、
突如切り込むメロディが印象的な⑤、エスニック・コーラスが強烈な印象を残す⑥、
アグレッションとヘヴィネスで拳を挙げたくなる⑧、アルバムのラストを飾るに相応しい印象的なメロディを持った⑩などがお勧めです。
しかし、どの曲もクオリティが高く聴き所満載ですので飽きずに聴けると思います。

他に類を見ないであろう呪術的かつ儀式的な独特の雰囲気を持ち合わせていますが、
それと同時にメロディックブラック、ヘヴィメタルとしてのクオリティも非常に高くよくまとまった作品です。
これだけのオリジナリティとクオリティを持ちながら日本では無名ってのは何故なんでしょう。不思議でしょうがありません。

寝坊メタル 2010年6月19日(土)14時46分

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