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AEALO / ROTTING CHRIST
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10作目のフルアルバム。2010年作。
購入したのはデジパック初回版でDVDがついてきます。

前作はメロディックブラックメタルにエスニックな要素が強く表れた彼ら独自のメタルを提示していたわけですが、
今作はさらにエスニックな要素が強調され、インパクトという点ではかなり強烈な作品となっています。
まず、目(耳と言ったほうが適切かもしれません)に付くのは全編にわたってフィーチュアされた女性ヴォーカルで、とにかくこのインパクトが大きいです。
彼女らはディアマンダ・ギャラス他数名で、おそらくギリシャの伝統的な歌唱法であろう奇妙な歌を聴かせてくれます。
⑦にいたっては完全に彼女らだけの曲(1分程度)で、ラストを飾る⑪はギターや民族楽器の演奏をバックに謎の呪文が唱えられます(笑)。
というか、そもそもこの曲はディアマンダ・ガラスのカヴァー曲のようで、そのご本人が歌っていらっしゃいます。
またメロディも前作以上にエスニカルになり、ドラミングも太鼓的な叩き方が用いられています。
そしてヴォーカルもそれを追ってリズムよく吼えるため、誤解を恐れずに言うならば、ある意味ノリが良くキャッチーに聴こえます。

ここまで書くとフォークメタルやペイガンメタルのように思われてしまうかもしれませんが、
彼らが巧みなのはエスニックな要素がいくら強くなろうと実にメタルメタルしているということです。
フォークメタルなどはモロにフォークのメロディがフィーチュアされている場合が多いですが、
このバンドの場合はエスニカルでありつつも、実にメタルらしくリフ、メロディを弾いているのです。
まあ、スウェーデンのバンド群がそうであったように、ギリシャの伝統的なメロディもメタルとの親和性が高いのかもしれません。

各曲では、女性ヴォーカルをバックに爆走する①、ザクザクリフで強烈に圧迫感を強める②、
ノリの良い速いリズムが印象的な⑥、メロディアスなリフとリズミカルなヴォーカルの⑧などがお勧めです。
と言っても、どの曲も甲乙つけがたい強力なナンバーになっています。

総括としては、彼らの愛国心、愛郷心を強く感じられずにはいられない高品質なメタル作品です。
一応、メロディックブラックという括りに入れてしまっても良いんだとは思いますが、この作品はどうにも他に例えようのない仕上がりのため、
あえて言ってしまえば「祭りブラックメタル」だと個人的には思っています。あまり適切ではないかもしれませんが(笑)。

*なおディアマンダ・ギャラスはギリシャ系アメリカ人のヴォイス・パフォーマーだそうで、その手のファンにはかなり有名な方だそうです。
寝坊メタル 2010年7月3日(土)22時20分

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