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STORMBLAST / DIMMU BORGIR
1996年発表の2ndフルレンス。
例によってサウンドプロダクションはよろしくないが、逆にアンダーグラウンド色が濃厚に
なり、凶暴性3割増に聴こえる。アルバムを聴くと、その後の彼らのスタイルのひな形が
この時点で既に出来上がっていたことに気付かされる。現在に比べるとやや稚拙な印象を
受けるが、この頃の方がサウンドに耽美や叙情といったゴシック的なものが強く感じられる
ように思われる。
彼らがまだノルウェー語で歌っていた頃のアルバム。
今の音と比べると、それほど速くないし、激烈さは見劣り(聴き劣り?)するかもしれない。
しかし、全体から漂って来るアンダーグラウンドで、邪悪な雰囲気は、今の彼らにはないかもしれない。
メジャーになっていく過程で、捨てていった、また捨てざるを得なかったものがここにはある。
音質が悪いのが難点だが、そういうことは気にならないという人は、これも聴いてみましょう。
今のディム・ボガーのルーツが分かるかも。
いかにも“北欧の荒涼とした大地"を想像させる寒々しい(?)アルバム。同じ曲がずっと続いているような錯覚を覚えてしまう曲調なのですが、どの曲にもどこか物悲しい、はっとさせられるメロディーがあって、個人的にはとても気に入っています。確かに、音質は悪く、私のような素人耳にも、もたもたとした演奏はハラハラさせられますが…。紅葉シーズンが終わりかけ、凍てつく冬の到来が間近に迫っている今日この頃、このアルバムを聞き、ひとり北欧の人々に思いを馳せるのでした…。「あぁ、冬はやだよ〜っ!」
こちらも聴きました。
再発版と比べるとやはり完成度は劣りますが、雰囲気はやはり寒々しくて良質。
音質はやはりグチャッとしていて篭っておりキレもあまり無いですが、シンセの使い方はこちらの方が好きかも。
特に1曲目の演奏が始まる前のピアノソロや、完全なインストである4曲目は再録版にも残して欲しかったです。
裏名盤といわれている理由、よくわかりました。
今現在のDIMMU BORGIRの姿と較べれば、派手さがない速さがない攻撃性がないテクニックがない、フックが少ないボーカルが弱いクリーンボーカルがない音質悪すぎときて、さらに華がない主題がないということで、まさに禁欲/ストイックなブラックとして隙のない完成度。
今現在からは考えられないが、ぎりぎりこれは(3rd辺りの)BURZUMと接点があり、NARGAROTHは長すぎるならこれを聴くといいと思う。ストイックなスタイルで、これほどメロディアスでキャッチーなものもそんなにない。
ギターはもとより、ほとんどブラストしないドラム、前に出すぎないシンセ、呟きを多用するボーカルと、プレイヤー全員一丸となって「影」に徹する信念が、荒涼/厳粛な風景を揺ぎ無く描いている。「荒涼さ/厳粛さ」が揺るがないのではなく、「風景であること」が揺るがない。96年発2nd。
豪雪が続き、とても外出する気になれず、それでもしんしんと山腹に降り続ける雪景色を一人、窓から眺めている時のBGMに非常にぴったりであります。「明日また早起きして雪かきすんのかよ」というメランコリーが共鳴するというかw。
現在の商業シンフォブラックとは違って、1stのFor All TidとこのStormblastではメランコリックなアトモスフェリックブラックをやってます。
最近のDimmu Borgirに興味がない方でも、特にこの2ndは楽曲のクオリティが本当に高いので、一聴の価値ありです。
Stormblast2005は聴いたことがありませんが、アンダーグラウンド臭がなくなって別物になってしまってるらしいので、ブラックメタラーならこのオリジナル盤を買った方が良いと思います。
96年発表の2nd。
同じシンフォブラックでも、今の彼らが取りこぼしてしまった物が詰まった作品だと思います。
まず曲の方ですが、この頃はスピードやブルータリティに頼ることなく、ミディアムテンポで
丁寧に情景を描写していくタイプのシンフォブラックを演ってますね。
メロディはフックはありつつも、目立ちすぎて、「曲全体を通じて情景を描くことで聴き手を
没頭させていく展開」を損なう事のない控え目さもあって、かなりセンスが良い。
時々展開や音の処理に不可解な所も見受けられますが、洗練されすぎてて醒めてしまうことの
ない程度の生々しさを加味していて良いと思います。
音の方も、近作ほど重金属的な音質ではなく、どこかアナログな質感のある音質で、メタルと
しての攻撃性や耳への圧力が情景を壊してしまう事のない自然な音になっていると思います。
この手にありがちな、メタリックさと情景描写のバランスを取ろうとして却って聴きづらい音に
なることがなく、耳に優しめの聴きやすい音なのも良いですね。
上の方も言われてますが、音質面でも「風景である事が揺るがない」感じです。
この頃の彼らの作風って、どこかMORTIISやWONGRAVEN、後期THOU SHALT SUFFERなどの
ブラック系アンビエント作品をメタル化したような、独特の雰囲気があるんですよね。
はっきり言って、比較したら情景描写能力では今の彼らでは話にならないと言えるかも。
尤も、エクストリームメタルとしてのレベルの高さを比べたら評価は逆になるんですが…。
どっちが良いかは聴き手次第ですね。私もその時のテンションでどっちが好みかは変わってくるし。
それでも敢えて言うなら、この頃の彼らの作品の方が、音楽を聴いている事を忘れさせるまでに
リスナーを没頭させる可能性があると言えるのではないでしょうか。個人的に、このアルバムの
4曲目のインストがゲーム音楽のカヴァー(というか勝手に使ってるらしい)で、しかもメロディの
一部がRPG「空の軌跡」の「星の在り処」みたいでお気に入りな分、ちょっと下駄履かせた
評価になってるかもしれません(笑)。どうせならハーモニカでやって欲しかったかも(笑)。