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NIGHTWING / MARDUK
5th。ジャケットも含めて全てが邪悪な美に包まれております。多分コンセプトアルバムっぽい気がします。恐ろしいサウンドの中に、ハッとするような美しさが秘められています。でも邪悪だけどね。
まんぞうの価値観ですが、MARDUKの聴き辛さはMAYHEMの1stなんか比較になりません。ボーカルがハンパじゃねえ。ソコが良いんだけどね。
これはかなりの名盤なんじゃないでしょうか。かなりうるせえブラックかましてるけどね。
名盤と誉れ高い4thと6thの間に挟まれてるのでイマイチ地味な印象のこのアルバムですが、個人的には4thと6thと並んで最高傑作といってもいいくらいの完成度を誇っていると思います。
前作ほどメロディックではないですが荘厳さ、邪悪さといった点ではMARDUKのアルバムで一番かと。
98年発表の5th。
4th以降、特にLegionとB War在籍時の8thまでの音源って、どれもブルータルブラックに
音楽性を絞りながらも、4thなら中世的なメロディ、6thならひたすら暴虐に特化した作風、
7thなら頽廃的な雰囲気、8thなら重さとファストさのバランスなどそれぞれに美点が
ありましたが、この作品のセールスポイントはずばり言って「コンセプト性」だと思います。
MARDUKみたいなブルータルな曲が続く作風で50分近くランニングタイムがあると、流石に
少しダレてきそうな気がしますが、このアルバムは前半をアンチ宗教的な曲を集めたもの、
後半をワラキア(今のルーマニア)公爵ブラド・ツェペシがモデルの史実を元にした物語を
語るものという、二重のコンセプト性を持たせてメリハリを付けてそれを防いでると思います。
曲自体も流石MARDUKと思える充実振りで、よくライブでも演奏されるらしいSlay the Nazarene
なんかは代表曲と並ぶかっこいい曲ですし、メロディもキャッチーなものこそ少ないものの
前作の流れを汲む中世的なもので、音質も良くなっているのでアルバムとしての質は高いです。
6th辺りと比べるとスポットが当たりにくいですが、MARDUKが好きな人はもちろん、彼らの
音楽に初めて触れる人が聴いても損は無いと思いますよ。まあMARDUKはどれも良いんですが(笑)
二部構成になっているコンセプト的アルバム。前半は良かったが後半は個人的に物足りなかったように思う。