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WINGS OF HEAVEN / MAGNUM
良い意味で非常にバランス良く大衆性を取り入れた作品。
かといって単にアメリカ市場に迎合したのではないところがミソ。
"JUST LIKE AN ALLOW"を彷彿とさせる"START TALKING A LOVE"は間違いなく名曲だし、
"DON'T WAKE THE LION"なんか、しっかり英国風大作。
とにかく聴きやすく、しかも奥がふかい。
個人的に、MAGNUMの代表作にプッシュします。
88年発売の7thスタジオアルバム
この時期のマグナムは日米では考えられない程のセールスと人気を本国で誇っていましたね。基本的に
メロディアスで憂いのあるハードポップな内容ですが、楽曲の幅が更に広がり曲によってはゴスペル等
もうまく取り入れてハードロックの範囲を更に良い意味で曖昧にしています。上記のけんしょーさんが
仰る『大衆性』という言葉はうまくこの作品を表していますね。
MAGNUMの魅力って、ドラマティックな曲の随所にポップ・フィーリング
を絶妙な散りばめたところにあると思います。そういう意味では『VIGILANTE』
は個人的にはちょっとポップに寄り過ぎであまり好きになれませんでした。
でもこの『WINGS OF HEAVEN』は『ON A STORYTELLERS'S NIGHT』と『VIGILANTE』
のちょうど中間のようなサウンド。ドラマティックさも戻ってきて、かなり良い
アルバムに仕上がってると思います。これもMAGNUMの名盤も1つですね。
(『VIGILANTE』はポップ過ぎと言いましたが、MAGNUMのアルバムはどれ
も異なったサウンドで、トニーの作曲の幅がどんどん広がっていることの証明です。
そういう意味では『VIGILANTE』も重要な作品ですよね。)
6th『VIGILANTE』に伴うツアーが、全公演ソールドアウトという大成功を収め、アンコール・ツアーまで実現させて
勢いに乗るMAGNUMが、プロデュースにアルベルト・ブックフルトを迎えて制作、'88年に発表すると、
全英チャート4位に輝く等、MAGNUM史上最大のヒット作となった7thアルバム。
いきなり、爽やかなメロディアスHRチューン①で本編の幕が開く事からも察しの付く通り、本作は『VIGILANTE』の作風を
順当に継承した産業ロック路線を取りつつも、(QUEENやBON JOVIのライブでお馴染みの)ウェンブリー・アリーナで
ライブを行える程の国民的人気を得たバンドの自信が、覿面に作品のクオリティに反映されていて、メンバーのパフォーマンスと
楽曲の説得力は、前作から桁違いにUP。初期の音楽性に拘るファンの不満をも粉砕するその貫禄は、まさに横綱級。
また、前作のポップ方向に振れ過ぎた仕上がりを反省してか、今回はHR的な重厚感とドラマ性がやや回復傾向にあり、
その好例と言えそうなのが、名作『ON A STORYTELLER'S NIGHT』の頃を思わせる、陰影に富んだドラマティックな曲展開を
備えた②と、本編のハイライトとも言える、ラストを荘厳に締め括る10分以上に及ぶ大作⑧。それ以外にも、
ゴスペル・コーラスをフィーチュアした叙情バラード(⑤)あり、キャッチーなポップ・チューン(③)ありと、
強力なフックと哀愁のメロディに彩られた収録曲は、何れも粒揃い。まさにMAGNUMの絶頂期を飾るに相応しい名盤と言える。
相変わらずマグナムはマグナムなんだと思い知らせる一枚です
確かに産業ロック風のサウンドなどもあり世間に擦り寄った感じがするが
説得力溢れるVo、複雑で大袈裟なサウンドのドラマティックな構成とスケール感の大きさは健在です。明るくポップなイメージの中に英国的な伝統が宿る今作はなんら批判されるレベルではない