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BURNT OFFERINGS / ICED EARTH
個人的にはICED EARTHでは一番好きなアルバム。マシュー・バーロウ加入1枚目、バンドとしては3rdになります。
前作は一本調子なVoがどうにも馴染めなかったので、ダーティだけど魅力的な声質を持つ彼の加入は願ったりでした。激しい咆哮から歌い上げるスタイルまで幅広い表現力を持つ彼の加入は間違いなくバンドにとってプラスになったと思います。
クリーントーンのアルペジオ→細かく刻まれる重いリフというジョン・シェイファー得意の楽曲スタイルはこの頃から健在で、1曲の中に緩急を付けるのが上手いですね。この1枚で、ICED EARTHは他に類似バンドが思い浮かばせない稀有の個性を完成させたと思います。
出だし3曲のドラマティックさとラストの16分におよぶ大作“Dante's Inferno"は圧巻。
これは暗い。果てしない絶望感に襲われる、ドラマティックなへヴィメタル。聞くところによると、このアルバムを制作中メンバーは自殺を考えていたらしい。それ程暗く、深く、絶望感に満ち溢れたアルバムである。音楽的な共通点として個人的にはSENTENSED NEVERMOREな感じの印象であるが、それにスラッシュ的なリフが加わりより一層ドラマティックになっているようだ。展開にはIRON MAIDENの影響も感じられる。
このアルバム、掘り出し物だ。是非聴いてほしい。
ほんとに暗い。
「NIGHT OF THE STORMRIDER」ですっかりハマり、何年かごしで発表されたこのアルバムには、ハッキリ言って失望しましたねぇ。
まあ、そこらのバンド世よりかずっとマシですが。
低迷期の一枚か。
私も29さんと同じで、アイスド・アースで最も好きなアルバムです。
彼らはどのアルバムも完成度が高いし、ティム・オーウェンズ加入後の作品ももちろん素晴らしいんですが、ダークでメランコリックな部分が最も強く表れたこのアルバムの魅力は、やっぱり頭ひとつ抜けています。
まあ、ちょっと暗すぎるというので雑誌なんかでも評価は低いアルバムみたいですが、そこら辺は好みの問題。叙情性を求めれば、最高の名盤です。
前作までのスラッシュ的な攻撃性は保ちつつも、マシュー・バーロウ加入によって、ヴォーカルの歌唱力がアップしたため、多彩な表現を可能にしています。
よくメロデスやゴシックの曲に「慟哭のメロディ」という言葉が使われますが、まさにそれ。それを上手いヴォーカルが、憂いに満ちた声で情感たっぷりに歌ってくれます。
絶望的に哀しい(7)「THE PIERCED SPIRIT」からドラマティックな大曲(8)「DANTE'S INFERNO」の流れには圧倒されます。
暗いというよりヘヴィになったという感じです。曲自体はメロディアスなリフに、メタル的なボーカルは心地が良い、ん〜メイデンやサバスなんかより、ロックオペラのサヴァタージが好きな方ならマストアイテムになるでしょう。
個人的にはICED EARTH最高傑作。
(一般的に代表作は2ndだが)
ダークでメランコリックな世界で統一されており、
大作志向で展開美のある(1)(8)あたりが特に素晴らしい。
SENTENCEDやPARADISE LOSTあたりが好きな人には一番に勧めたいアルバム。
2nd『NIGHT OF THE STORMRIDER』が日本で大ヒットしたにも関わらず、レコード会社とのビジネス上のトラブルから、
3年もの沈黙を余儀なくされたフロリダのパワー・メタル軍団が、復活を懸けて'95年に発表した3rdアルバム。
後にジョン・シェイファー(G)が「ストレスの溜まる状況が曲作りに影響を与えた」と語った通り、前作で聴かれたような
壮大なオーケストレーションが脇へと下がり、生々しい音像で迫り来る楽曲群は、ICED EARTHの作品の中でも、一際ダークでヘヴィ、
そして沸々と煮え滾るような怒りに満ちた仕上がり。(スラッシュ・メタル色が残る最後の作品でもある)
とは言え、別に本作発表当時、ロック・シーンを席巻していた「モダン・へヴィネス」からの影響があるわけでもなし、
ICED EARTHの楽曲を歌うには、まさに打ってつけの歌唱力の持ち主といえる、逸材Voマシュー・バーロウの加入もあって、
作品自体は、前2作と変わることなく、極めてパワフルでメランコリックでドラマティック。
特に“TUBULAR BELLS"(映画『エクソシスト』で有名)を彷彿とさせるイントロからスタートする、激しさと美しさ、
繊細さと豪快さを飲み込んでダイナミックに展開していく①を筆頭に、「これぞICED EARTH節!」と思わず膝を打つ
劇的な②③④、そしてポロポロと零れ落ちるような、美しいアコギとピアノの調べが印象的な小曲⑦を序曲代わりに、
ダンテの“神曲"をモチーフに作り上げられ、16分に及ぶ長丁場の地獄巡りを、一瞬たりともテンションを緩めることなく
聴かせきる、ジョン・シェイファー渾身の大作組曲⑧の圧倒的迫力の前には「グゥ」の音も出ません。