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DECAMERON / EPIDEMIC
1st。
デス寸前のスラッシュメタル。
SLAYER直系の突進力は半端じゃない。
単純にフォロワーに陥らずにリズムパターンも工夫されていて飽きない。
スラッシュでは後発の部類でしかもデスメタルが隆盛していた時期だったので目立たなかったが良質のスラッシャーです。
押せ押せの楽曲群に押されてみるのも一興。
サンフランシスコ出身の5人組スラッシャー、'92年発表の1stアルバム。
続く2nd『EXIT PARADISE』では、もろ当時の流行から影響を受けたと思しきヘヴィ・サウンドを披露して
壮絶にズッコケさせてくれた彼らだが、このデビュー作の時点では、ベイエリア・スラッシュならではの
キャッチーさとは無縁の、ひたすらスピーディでバイオレントな剃刀の如きスラッシュ・メタルを展開。
時に、そのスピードはデス・メタルの領域にまで達する勢いだが、曲中に巧みに織り込まれた
リフ/リズム・チェンジでしっかりと緩急が演出されているため、楽曲が一本調子に陥る事は無い。
手数の異様に多いDsに引っ張られる形で、ダイナミックに疾走する①④⑧⑨⑩⑪といった
高速スラッシュ・チューンの数々には、謹んで「倍速化したSLAYER」の称号を進呈したい。
曲のテンションを効果的に高めるGソロも、なかなかにカッコイイぞ。
まぁ、楽曲が画一的で強力なキメ曲に欠けるため、通して聴くと、やや中弛みが感じられなくもないのだけど、
前述のスラッシュ・チューンから得られるカタルシスは、そうした弱点を補って遥かに余りある。
取り合えず、スピード命!なスラッシャーは必聴。
SLAYERファンならバンド名を見てあれ?と思う人もいるかもしれない、彼らのバンド名はSLAYERの同名曲を元にしていると思われる。
当時掃いて捨てる程いたSLAYERクローンの残党、だがただのクローンやフォロワーの枠に陥る事がないのはリフのかっこよさと独特のリズムチェンジ、驚異的な手数のドラム
といった彼らならではの個性がしっかりと確立されているからだろう。
その圧倒的な突進力と疾走感は本家SLAYER以上で曲によってはデスメタル一歩手前までの勢いがある。
スラッシュとしてはかなり速い部類だが、全体的に音はヘヴィで尚且つアルバム全体が起伏にとんでいるのでただワンパターンに疾走しているだけのアルバムと違って何度でも飽きずにきける。スラッシュファンなら必聴な1枚。