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DIRTY / SONIC YOUTH
'92年発表。8作目。
NIRVANAの大ブレイクが影響して、彼等のキャリアの中でも最大の異色作となったのが本作。
6作目の『DAYDREAM NATION』収録の「TEEN AGE RIOT」と双璧をなす(彼等にしては)ポップかつキャッチーな曲である「SUGAR KANE」が聴ける本作は、私個人としては彼等の最高傑作であると信じて疑わない。もちろん、真性SONICファンを自認する方々に言わせれば、「これを最高傑作だなんて。わかっていないね」というところかもしれない。
バンド自身も本作を最後にこの路線からきっぱり決別。9作目では『SISTER』(5作目)の頃の音作りを想起させる作品を発表した。
「SUGAR KANE」はアーノルド=シュワルツネッガー主演映画である『END OF DAYS』にも収録されている。「おお、この曲の良さを忘れられない人が居たのか!」と少し嬉しかった。また、山田正紀さんというSF作家(大御所)が、『デッド ソルジャーズ ライヴ』の一エピソードでこの「SUGAR KANE」を取り上げていたことにも驚いた。
ある意味とても聴きやすくなっているソニックユースサウンド。
過去作の轟音はコンパクトな形に収まり、非常に整合性のある楽曲群となってます。
短1度でハモらせて刻む、このバンド特有のリフもあまり聴かれなくなったが、計算され尽くしたようなノイズやハウリングが非常に心地良く響くのだ。
混沌としたオルタナティヴ・サウンドの中にもポップさと疾走感を持ち合わせた8th。ノイズ・ギターが絡み合う、まったりとしたヴォーカルが魅力の「100%」やシンプルにして豪快な轟音サウンドが聴けるポップナンバー「スウィムスート イシュー」、頼りなさげな歌とよれたギターが独特の高揚感を醸すスロウ・ナンバー「テレサズ サウンド ワールド」などを収録した会心作。
コアなファンならサウザンドリーヴスや洗濯機を挙げるんだろうが個人的にはこれが一番好き。