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FROST AND FIRE / CIRITH UNGOL
本作は「THE WORST HEAVY METAL ALBUM OF ALL TIME」(笑)という、聖飢魔Ⅱの0点レビューの如く、素敵すぎる評価を得たという81年発表の記念すべきデビューアルバム。
ジャケットは空高く剣を掲げる戦士の図。100点満点のカッコ良さです。
音の方はというと、PARADISE LOSTとは比較にならないほどの薄っぺらさで失笑。ベースの音など結構聞こえるのですが、チープな音作りのため、結局ペラペラ(笑)当時としても、この音の薄さは稀有なものでしょう。
楽曲もまだコンパクトなものが殆どで、そんなに大仰でもありません。しかしコンパクトながらもドラマティックな楽曲構成、ヒロイックファンタジー世界を思わせるインストナンバーを収録するなど、やりたいことはデビュー時からハッキリと定まっているのが分かります。
個人的に、CIRITH UNGOLの最大の個性であるTIMの変態ヴォーカルが、1stから既に本領発揮されていることに感動しました。4th収録の「CHAOS RISING」「FALLEN IDOLS」みたいな名曲はありませんが、正統ナンバー「FROST AND FIRE」、TIMの変態ぶりに悶絶必至の「I'M ALIVE」、初代ファミコンのBGMっぽい「WHAT DOES IT TAKE」、ドラマティックなインスト「MAYBE THAT'S WHY」など佳曲はありあす。
B級ですから決して万人受けするものではありません。しかしジャンクフードを愛でる心がある人には、本作の良さはきっと分かってもらえるでしょう。
コレはB級メタルの宝だ。
まず、素っ頓狂さが象徴的なヴォーカルと不思議なテンポチェンジとファイティングなリフに悶絶する。
ペラい録音がくどいベースラインを浮き出させ、よりB級らしさを醸し出してます。
ドラムが微妙に走ったりモタったりするが、オカズのバリエーションは結構豊かで、ウマいのかヘタなのかよくわからないのがまた味わい深くて良い。
クドいフレーズを駆使しながらも、リフが個性的で曲構成は飽きさせないところは素晴らしい。
壊れたガイコツのような建物の上で剣を振りかざすファイター、その後ろにトカゲ鳥のようなモノが描かれたジャケには、この上ない愛情を注ぎたくなる。